墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

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特別展「みちのくの仏像」@上野 東京国立博物館

東北6県を代表する仏像が集結!という言葉どおり、見ごたえのある展覧会でした。

観覧料は一般で1000円。

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 1月17日の土曜日、入場したのは午後3時過ぎ。

正門入口には混雑中の表示があったものの、会場内は混雑というほどではなく、それほど広くない展示室にもかかわらず人垣があるような場所はなかったです。

実は前日金曜日、夜の開館延長があると思って来てみたら、閉まっていてがっくり。4月5日までの会期中、金曜の夜間延長があるのは3月からでした。

 

本館の特別5室(大階段の下)が展示室。

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ポスターやチラシは岩手県黒石寺の薬師如来だが、展示室前だけは福島県勝常寺と宮城県双林寺の薬師如来。

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ほぼ四角い会場の正面奥に勝常寺の国宝・薬師如来、はいってすぐ右に双林寺の重文・薬師如来、さらに左手に黒石寺の重文・薬師如来が向かい合っており、展示室中央に立つと堂々とした3つの薬師如来からの、ほぼ目線上になります(視線は合いませんが)

他にも岩手・天台寺の鉈彫りの聖観音や成島毘沙門堂の伝吉祥天像、山形・吉祥院の千手観音や本山慈恩寺の慶派作の十二神将、宮城・給分浜観音堂の3m近い高さの十一面観音、秋田や青森の円空作の菩薩、如来など、出展数はそれほど多くありませんが、一度は見たかった仏様を一度に見られました。


実は勝常寺の薬師如来にお目にかかるのは3度目で、30年ほど前の学生時代が初回、3年前の夏の家族旅行が2回目、どちらも会津の勝常寺で拝観しましたが、今回は展示室で周囲から見ることもできて、その体躯のボリュームをはっきり見て取ることができました。黒石寺や双林寺の薬師如来と比較すると、その胸やお腹の肉厚さの特徴がよくわかりました。

 

 

常設展では、伊藤若冲と池大雅の屏風絵が素晴らしかったです(双方とも1/25までの展示)

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伊藤若冲 松梅群鶏図屏風 18世紀 江戸時代

石灯籠は「無数の点」で描かれ、鶏の尾がリズミカルに並ぶ。

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池大雅 西湖春景銭塘観潮図屏風 18世紀 江戸時代

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上記の部分。吸い込まれるような不思議な風景。

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また、「3.11大津波の文化財の再生」という特別展も開催されていました(本館内、追加料金なし)


土偶や土器も興味深かったですが、江戸時代・嘉永3年(1850)の気仙隕石(陸前高田市立博物館)が大きくて迫力ありました。

 

なお「みちのくの仏像」展は、NHKの日曜美術館で1/18の午前9時、1/25の午後8時で放送されるそうなので、今後は混んでくると思いますが、土日の午後遅めの時間帯は比較的空いているのではと思われます。