墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

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東山御物の美 足利将軍家の至宝展 三井記念美術館 @日本橋

11/8の土曜日の午後に行ったが、閉館前の16時ごろに入館したので混雑はなく、見たい作品も一人で鑑賞できる数分間があった程でした。

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10/4から始まり11/24までの、美術館開館10周年(2015年)記念特別展。

足利将軍家、特に3代義満と6代義教が集めたものを中核とする足利将軍家の至宝106点(展示替え有り)で、国宝12点、重要文化財28点、重要美術品2点を含む。

非常に興味深いのは、その大部分が「唐物(からもの)」つまり中国美術であること。出品目録を見るとそのほとんどが、南宋、元、明の人の手に帰する。

それが、足利将軍邸の「会所」で飾られて、東山に集う人々の美意識が鍛えられ、その美意識が「その後の日本人にとって絵画・工芸を鑑賞する一つの拠るべき基準となり、桃山・江戸時代、さらには現代に至るまで「古典」と理解されて」来たことに、文化財としての高い重要性がある。(カッコ内は館長のご挨拶より)

 全国各地の美術館やお寺から集まってきた至宝でした。

 

下記は入口の吹き抜けホール。正面階段から左に、舞台の下手の袖に行くように進むと、時代がかった専用エレベータがあって7階へ向かう。

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いつも読ませていただいているokkoさんが記事に「再会」を書かれたばかりでした。

 

展示品は、茶器などの工芸品も目を見張るものばかりでしたが、自分は文人高士が山や雲や渓谷を眺めている山水図に特に惹かれました。 

国宝の夏景山水図(伝、胡直夫筆、南宋12世紀、山梨・久遠寺、会期末まで展示)と、同じく国宝の秋景山水図・冬景山水図(伝、徽宗筆、南宋12世紀、京都・金地院、会期末まで展示)は、三幅並んで掛かっているところは、ずっとここで眺めていたい、という気持ちになりました。

近くには、国宝の雪景山水図(梁楷筆、南宋13世紀、東博、11/16まで展示)もあり、本当に贅沢な展示空間になっていました。

 

 

展示が終わってしまったもので見たかったものもありましたが(国宝・雪中帰牧図、李迪筆、南宋12-13世紀 大和文華館)、いずれも国内にあるものなので、次の機会を待つとします。

工芸品の展示は期間を通してのものが多いですが、絵画は3、4週間なのですね。

 

最後の1週では徽宗筆の「桃鳩図」(国宝、北宋1107年)が出るのでまた来たい。Wikipediaによれば明治の元老、井上馨の旧蔵品で現在は個人蔵とのこと。滅多に見られないでしょう。(これは混むでしょうが)

桃鳩図 - Wikipedia

 

何年ぶりかで図録も買ってしまいました(2500円)

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恥ずかしながら。

図録には下記の英語のタイトルがあります。

Aesthetic Perfection: The Higashiyama Gomotsu Collection

Assembled by the Ashikaga Shoguns in the 14th to 15th Centuries

つまり、東山御物の御物=ゴモツだったということ。

自分は御物=ギョブツで、天皇所蔵品の意味の方だと勘違いしていました。

御物(ギョブツ)も貴重な宝物ですが、文化財保護法による指定の対象外で国宝や重要文化財などには指定されません。

御物 - Wikipedia

 

あやうく貴重な機会を逃すところでした。

入場料大人1300円、美術館サイトから携帯にメールを送ると100円引きに。

三井記念美術館

みなさんにお勧めしたい展覧会です。