墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

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旧島津公爵邸(清泉女子大学本館)by ジョサイア・コンドル 東京都指定有形文化財 @品川区東五反田

こちらも東京文化財ウィークの特別公開事業の一環。

10/29に一日だけの期間限定公開があった(予約不要、入場無料)

 

旧島津公爵家袖ヶ崎本邸洋館 1915年(大正4年)竣工 ジョサイア・コンドル設計

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(上記は、庭園のある南側のから見たところ。)

 

まずは台地下にある、普段は「関係者」しか入れない門へ行った。名前等を書いて提出して入る。

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門のすぐ左の急な階段。

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階段を上ったところに正面玄関(車寄せ)があった。 

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真新しい説明板もあった。

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東京都指定有形文化財(建造物)

旧島津侯爵家袖ヶ崎本邸洋館 一棟 附旧事務所 一棟

所在地 品川区東五反田3-191-39

指定 平成24年3月21日

この建物は、旧鹿児島藩主だった島津家の第30代当主、公爵島津忠重(1886-1968)が島津家の本邸として大正4年(1915)に建築工事の竣工をみた洋館です。

洋館の建つ高台は袖ヶ崎と呼ばれ、江戸時代には元仙台藩伊達家下屋敷があり、島津家の所有になったのは明治初年のことです。洋館が内装なども含めて竣工した大正6年(1917)には大正天皇の行幸があり、関東大震災後の大正12年から公爵家が常住しました。昭和37年(1962)からは清泉女子大学本館として利用されています。

洋館の設計は、日本近代建築史に大きな足跡を残したジョサイア・コンドル(1852-1920)によるもので、古典様式を基調とした意匠と、当時流行した白タイルを用いた外装が特徴的です。玄関車寄せはトスカナ式巨大柱を配した重厚なものですが、対照的に、南側庭園に面したバルコニーは列柱廊を一部円弧状に張り出させた軽やかな表現となっています。内部意匠も大階段室を中心に、島津家家紋をあしらったステンドグラスや、石造マントルピースや天井の繊細な彫刻などが良好に保存されています。

平成26年3月 東京都教育委員会

 

堂々とした車寄せ。

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玄関(車寄せ)から北に続く部分。

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上記の右から回り込んでいくと、「現代」の建物(旧島津邸とつながている)があり、そこが受付になっていた。

学生さんによるツアーガイド(先着順、整理券発行)があった。自分は14時着で残念ながら最終に間に合わなかったが、何人もの学生さんがあちらこちらで説明されていた。

建物の歴史が詳しく書かれたきれいなパンフ(500円)があったので購入した。

 

はいってすぐの部屋。天井が髙い。浮き彫り(盛り?)の細工も優美。

背面の廊下を隔てた部屋がチャペルになっているが、そこは撮影禁止。

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主廊下。正面が車寄せのあった玄関になる。大きな扉の上のアーチが美しい。

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 1階の応接室。円弧状に張り出した正面の部屋。

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大きな階段室。洋館では、階段こそが屋内造作の主人公であるように思う。ここにはイオニア式の柱頭を持つ柱まである。

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階段のすぐ右に、玄関へ続く部屋がある。扉上部のカーブ、ステンドグラスが豪華。

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階段正面。人通りが多くて撮るのにあせってしまった。

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2階には現在も実際に使っている教室がある。こんな場所で学べるとは素晴らしい。

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この階段部分を外から見たところ。

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そして最後に庭へ出て、南正面からの全容を鑑賞する。白タイル貼りの外壁は当時最先端のデザインだったそうだ。

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1階の柱はトスカナ式(溝彫りを持たないドリス式)、2階はイオニア式。円は弧状に前に出るベランダはバロックの要素を持つが、全体では「ルネッサンス様式」とのこと。

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芝生の庭が実に気持ちよかった。スケッチをしている人たちがいた。

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庭の大木「フウ」の木

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 「清泉女子大学のフウ」として品川区天然記念物に指定されていて説明板もあった。

「フウは楓と書くマンサク科の高木で、台湾や中国南部に自生する。本樹は享保の頃に日本に初めて渡来した台湾フウの種類で、幹の周りは約3m、木の高さは焼く20m、推定の樹齢は約200年である。整然とした姿は美しく、木の勢いも盛んである。

本校の敷地は旧仙台藩の藩邸で明治以降は島津家の邸宅として維持されていたところである。眺望に優れた庭園の景観をひときわ引き立てているのが本樹で、藩邸時代にすでに「高雄もみじ」と呼ばれて有名だった。この種の木は都内では大変数が少なく、また、これほどの大樹は珍しく貴重である」

 

フウの木の先は崖になっていて、遠くまで見渡せた。品川プリンスホテルと品川駅東口に林立するオフィスビル。真下が正門になる。この地は「島津山」とも呼ばれている。

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コンドルは「島津公爵家の家政などを行う事務棟」も設計している。本館の北に隣接。

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地味なレンガ建物だが、奥にトスカナ式の柱を持つ立派な入口が見えた。

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大学サイトによれば、一般の見学は清泉祭(11/1,2)とガーデンパーティ(4/20)でも行われるが、今年は2015年旧島津公爵邸竣工100年記念行事の準備期間なので休止になっている。今年白寿の建物でした。

こちらのサイトを後からみて、玄関のステンドグラスとか2階のバルコニーとか見逃していることに気づいた。次の機会はぜひツアーに参加したい。


正門が面する坂。清泉の女子はここで足腰を鍛えられる?最後は階段だし。

すぐ右に有名な「ヌキテパ」(仏料理、未探訪)と「フランクリンアベニュー」(ハンバーガー、美味でした)がある。

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