このところ、歴史ある建築物を立て続けに見たので、文化財としての建築物の位置づけについて調べてみようと思いました。
下記は去年の東京文化財ウィーク時に訪ねました。
以下、文化庁のHPやWikipedia等をもとに、まとめてみました。
国は、有形文化財の中から国宝、重要文化財、登録有形文化財を指定・登録し、保護する制度を文化財保護法で定めています。
指定されることは「価値の高さが公的に認められたこと」になると思いますが、具体的メリットとしては防災設備の整備などの補助が受けられるようになります。
文化庁 | 文化財 | 文化財の紹介 | 有形文化財(建造物)
まず「指定もの」について。
国(文部科学大臣)による指定には、国宝と重要文化財があります。
それ以外に地方公共団体(教育委員会)による指定があり、各区域内にある国指定を除くものが「○○都道府県指定有形文化財」や「○○市区町村指定有形文化財」との指定を受けます。地方公共団体指定の文化財が後に国指定を受けた場合は、前者の指定が解除になります。
次に「登録もの」について。
国や地方公共団体の指定を受けていない有形文化財の中から、文部科学大臣が文化財登録原簿に登録したものが「登録有形文化財」となります(登録有形文化財には主に近代のものが登録されているそうです)
つまり階層化すると、上から順に、下記のようになると思います。(件数は建造物)
・(国指定)国宝 ~全国に218件(266棟)
・(国指定)重要文化財 ~全国に2412件(4629棟)
・都道府県指定有形文化財
・市区町村指定有形文化財
・国登録有形文化財 ~9632件
※一般に「有形文化財」と言う場合は、地方公共団体指定のものを指すことが多いようです。
※都道府県指定文化財・東京都の場合
Wikipediaによれば、都指定有形文化財は50件となっています(「部分」である旨の表示あり)
東京都の場合は、都指定有形文化財とは別に「東京都選定歴史的建造物」という制度があり、2013/8現在で91件が選定されています。
さらに東京都の場合、下記の基準で選定される「景観上重要な歴史的建造物」があり、選定された建造物には「建造物周辺の歴史的景観保全の指針」が適用されるそうです。
1.原則として建築後50年を経過していること
2.東京の景観づくりにおいて重要なものであること
3.できるだけ建築当時の状態で保存されていること
4.外観が容易に確認できること
東京都の「景観上重要な歴史的建造物等」は下記29件です(こちらは他の指定等との重複があります)
結構複雑な説明になってしまいました。
いつもは古墳のことを書いているので、史跡、特別史跡の方がメインなのですが、それは別の機会にまとめたいと思います。
また、地元千葉県よりも、東京都の方を先にまとめてしまいました。
「東京都文化財ウィーク」ということでお許しを、千葉県様。
別の機会に千葉県のものについても、まとめたいと思います。
ちなみに文化庁HPには、「文化遺産オンライン」と「国指定文化財等データベース」とがあります。指定区分別や地域別で検索できるので便利です。
http://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/categorylist.asp
また、東京都の場合は、指定区分別に検索できるデータベースを公開しています(ただし、都の有形文化財レベル以上で、また、網羅はされていないようです)