墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

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石山寺 滋賀県大津市

前回のつづき。

膳所本町から再び京阪電車石山坂本線に乗る。琵琶湖古墳クルーズのスタートは浜大津駅から徒歩5分の大津港。9:30集合で、この時点で7時。石山寺(いしやまでら)の開門が8時と早いので、こちらのお寺にもお参りすることにした。

石山寺行きは赤と緑の車両だった。

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最後尾に座れた。

カーブのRがきつくて右に左に激しく曲がるので、めまぐるしく変わる風景が面白かった。

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石山寺まではずっと複線の専用軌道。

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終点の石山寺駅。

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またまたアニメのラッピングだった。何種類あるのだろう。

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石山寺駅の外観。道路を隔ててすぐに瀬田川。

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瀬田川は琵琶湖から流れ出す唯一の川で、京都府に入って宇治川になり、大山崎で桂川、木津川と合流してそこから淀川となって大阪湾に注ぐ。古代の交通・物流の大動脈。3kmほど下流に南郷洗堰があって、流れはほとんど見えなかった。

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徒歩15分くらいで石山寺(左)に到着。

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開門前なので、しばし休息。

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 重要文化財 石山寺東大門 鎌倉初期(1190年)建立、桃山時代の慶長年間に改修。

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門より先、駐車場脇には「石山貝塚 市指定」もあった。縄文早期の遺跡で土器の一群は石山式土器と命名された。縄文前期以降は生活の跡が絶えるそうだ。

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そばにあった石山の地名由来。

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8時ちょうどに開門。150mほど参道を行くと有料エリアになる。入山料500円。

すぐに奇岩が目に入ってくる。

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石段を上ると、毘沙門堂 県有形文化財 1773年

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 その向かいには、蓮如堂 重要文化財 1602年

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その後ろに、本堂 国宝 1096年(1078年に焼失後、もとの天平宝宇期と同じ規模で再建)

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礼堂(外陣)の右側が入り口になっている。堂内撮影禁止。

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上記の写真の背中側にはさきほどの蓮如堂の美しい屋根瓦。

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本堂から外側は撮ってもよいとのことだったので1枚。

森に面しているが、礼堂は清水寺のように高い位置にある。1602年に淀殿の寄進により増築された。

この背中側に内陣がある。

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内陣へは拝観料300円で入ることもできる。

262cmの大きな毘沙門天(重文・平安期)や木芯だけ残った金剛蔵王立像、不動明王坐像(重文・平安期~少し遠い。外陣からも遠望できる)などと対面することができた。

ご本尊は如意輪観世音菩薩で秘仏だが、なんと来春には33年に一度だけのご開帳があるそうだ。

 

本堂を出てすぐ左手にある、石山三十八所権現社本殿 重文 1602年。

さきほどの蓮如堂はもとはこの本殿の拝殿だった。

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そのすぐ上にある、経蔵 重文 桃山時代(16世紀後期)

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その先に、多宝塔へと上がる階段があった。

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国宝 多宝塔 

以下は説明板より

多宝塔は、下層が方形、上層が円形の平面に宝形造の屋根をのせた二重の塔です。石山寺多宝塔は建久5年(1194年)に建立されたもので、多宝塔の中でも、最も優れて美しい姿をしており、上下左右の広がりがきわめて美しく洗練され、均斉のよくとれた建築です。

また、内部の柱や天井の廻りなどの壁面には仏像や草花などの極彩色の絵が描かれています。昭和26年に国宝に指定されました。

平成5年3月 大津市教育委員会

 

 めずらしく形容詞が多い説明板だと思ったが、その通り、ため息がでるほど美しい。

上が円形、下が方形という形態は上円下方墳と一緒ということですね。

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2層目の屋根の反りが普通の塔よりきついが、円形の塔身とうまく呼応しているように感じた。

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円形だから軒下の組み物や欄干の処理が大変だったと思うがピシッと決まっている。

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内部の仏像についても説明板

重文 多宝塔本尊大日如来像 快慶作

御本尊は建久5年(1194年)塔と同時期に制作され像高102cm寄木造り。表面に漆を塗って(金箔を貼り)玉眼や、写実的な衣には切金模様がほどこされ、又左肩からタスキ状の条帛(じょうはく)、衣のひだも洗練され、典型的な鎌倉様式の風格を備えた見ごとな像であります。 合掌 大本山石山寺

 

塔内を金網越しによく見ると、暗がりからまず仏像の目が見え、全体もなんとか見えた。

 

多宝塔の後ろの斜面を上ったところから。

まんじゅうのような白い台座と一層の屋根が接するカーブも、二層目の屋根とシンクロしているように見えた。

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塔の先にあった月見亭。

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月見亭の横からの眺め。繁った木の合間から瀬田川、琵琶湖が見えた。標高120mくらいなので、湖面との比高差35mほどか。

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さらに上に、豊浄殿(宝物館?)があったが10時開館とのことで見られず。最も奥に紫式部の像(彼女は源氏物語を書くために石山寺に7日間参籠した)があって、一応確認しに行った。

滋賀県石山観光協会 紫式部ゆかりの花の寺 石山寺

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帰り道に天然記念物である「岩」を鑑賞。お寺全体がこの岩盤の上にある。

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以下説明板より

天然記念物 石山寺硅灰石(けいかいせき)

硅灰石は石灰岩が地中から突出した花崗岩と接触し、その熱作用のために変質したものです。この作用によって通常は大理石となりますが、この石山寺のように雄大な硅灰石となっているのは珍しいものです。

石山寺の硅灰石は20mm大の短い柱状の結晶となったものや、5mm大のものが50mm大に集合したものがあって、表面は淡黄色あるいは淡褐色をしています。しかし、新鮮なものは純白色をしています。

また、この硅灰石のほか大理石、ベーブ石灰岩からなる大岩塊は褶曲のありさまが明らかにわかるものとして貴重なものであり、石山寺の石山の起こりになったものです。大正11年3月に国の天然記念物に指定されました。昭和59年2月 大津市教育委員会

 

 

上記に「新鮮なものは純白色」とあるが、新鮮な状態とはいつのことだったのだろう。岩の世界になると単位が億年になったりするのでわからないが、大岩塊(高さ35m以上)が純白に輝いていたなら、それを見た人間は天然のピラミッドを見るような神々しさを感じたに違いない。今でも岩の表面を磨けば白くなるのだろうか?

 

さきほどの本殿の横から見た岩園。あと一ヶ月もすれば岩と紅葉の競演になるのだろう。

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岩越しに望む多宝塔。

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もみじの葉の厚い層。

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最後は大黒天(ここが出口)にお参りした。

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福財布500円を購入。A5版くらいの大きさ。

「宝くじを入れると当たるよ」と言われた。久しぶりに買ってみるか。

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このとき、サービスで飴を戴いた。関西名物と聞いていた「おばちゃんのあめちゃん」を実際に体験できて嬉しかった。

 

つづく。