墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

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「発掘された日本列島2014 日本発掘」① 国宝 合掌土偶 @両国 江戸東京博物館  

 今年で20回目となる「発掘された日本列島」

江戸東京博物館の常設展示(入場料600円)で見ることができる。

同時開催中の「思い出のマーニー×種田陽平展」は1300円(共通券1520円)

どちらも9月15日まで開催。

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9月27日~11月3日まで堺市博物館、11月15日~12月21日まで長野市博物館、平成27年1月1日~3月1日まで九州国立博物館へ巡回する。

昨年(6月に)初めてみて面白かったので今年も行ってみた。

発掘された日本列島2013 (6/8) - 墳丘からの眺め

 

するとなんと国宝の縄文土偶、合掌土偶が出迎えてくれた。

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大きなガラスケースの中に、一人佇んでいる。

先週、歴博の縄文土偶の部屋では(レプリカが)なくて残念と思っていたところだったが、まさか本物に会えるとは。

普段は八戸市埋蔵文化財センター是川縄文館にある。このときケースを覗き込んでいたのは自分だけで、十分に堪能することができた。

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以下の説明は、図録(同時発売の朝日新聞出版本1800円)から

 

風張1遺跡(かざはり) 合掌土偶(国宝)  高さ19.8cm

縄文時代後期(約3600年前:パネル説明では3000年前)  青森県八戸市

体・右足・左もも・左すねの4つに割れていましたが、その切断面にはアスファルトが付着しており、当時すでに修理されたことがわかります。縄目などに赤色顔料が残っており、全身が赤く彩られていたのでしょう。

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出土時の写真がパネル展示されていた。

こちらの解説では「現代の民俗事例から、座位の姿勢で棒を握って出産を行う女性の姿をかたどった様子という説もあります」とあった。確かにあらためて胸をみると女性の表現にみえる。が、出産とは・・・かなり印象が変わってしまった。

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出土した竪穴建物全体の写真。手前が入口で奥の壁少し右に土偶が写っている。

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 水泳選手のような肩なので、てっきり男だと思っていた。女性だとしたら頭の上の表現も髪を結いあげたものなのだろう。

いずれにしても素晴らしい造形。起元前1600年を調べてみると、中国では考古学上実在が確認される最古の王朝の殷がはじまった頃であり、旧約聖書でヘブライ人からカナンの地からエジプトに移住した頃になる。

これを見るためだけでも、両国まで足を運ぶ価値あり、では。

 

その他の展示も興味深い。

こちらは白滝の黒曜石。赤い模様がはいっていて美しい。

史跡 白滝遺跡群 後期旧石器時代(15000年前) 下記はパネル説明より。

北海道遠軽町の赤石山は日本最大の黒曜石の山。これまでの調査で約698万点、総重量13トンの石器が発掘された。石器製作跡を発掘すると、土よりも黒曜石片の方が多い。

標高1147mの赤石山一帯は黒曜石が露出しており、国内最大の黒曜石産地。白滝産の黒曜石は、サハリンや新潟県にも運ばれたことがわかっている。

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日本の黒曜石の産地は、他に長野県和田峠・星糞峠、神津島、隠岐島、大分県姫島、佐賀県腰岳等の限られた場所。去年の夏に星糞峠(鷹山)を訪ねたが、立派な資料館や縄文鉱山散策路が整備されていて面白かった。

夏の旅2日目 星糞峠、鷹山黒曜石体験ミュージアム (8/10) - 墳丘からの眺め

 

今回展示されている白滝産黒曜石の石器は長野では見られなかった大きさで迫力があった。

 

続く