墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

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「吉田鉄郎の近代 モダニズムと伝統の架け橋」展 @国立近現代建築資料館・湯島

昭和の前半に「逓信省の建築家」として東京中央郵便局(1931)や大阪中央郵便局(1939)などの日本近代建築の名作を残した吉田鉄郎(よしだてつろう:1894~1956)の仕事を、図面などの建築資料で辿る展覧会を見に、12月に湯島の国立近現代建築資料館を訪ねた。

 

旧岩崎邸庭園の隣にあってそちらからも入れるが、岩崎邸の入場料400円がかかる。平日は湯島天神側の切通坂にある湯島地方合同庁舎入口から入ると無料。

 

ここを通るのは初めて。

 

ポスターの矢印に沿って進む。

 

後ろは見事な煉瓦塀。

 

外の道路側の壁は白く塗られていたので、躯体は煉瓦であったことにちょっと感動。

 

外側の様子。

http://massneko.hatenablog.com/entry/2015/10/19/213000

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煉瓦壁越しの三菱資料館。

 

煉瓦壁沿いに100mほど歩いて資料館に到着。

 

建物すぐ脇が、岩崎邸の洋館・和館の連絡部分。

 

2階へ上がったエントランスからも岩崎邸側面が良く見えた。

 

エントランスでは展覧会に合わせて実施されたインタビューの動画が3種類流れていたが、これがとても面白かった。

一つは、吉田鉄郎がいた頃の逓信省に入った後に東大教授も務めた建築家の内田祥哉氏(うちだよしちか、1925~:建築家・内田祥三の次男)

二つ目は、内田祥哉氏の教え子であり、吉田鉄郎の東京中央郵便局を商業施設KITTEとして再建した隈研吾氏。隈研吾氏が吉田鉄郎の孫弟子であることをここで知った。

三つ目は、個人邸宅設計を吉田鉄郎に発注した馬場家の現在のご当主。

それぞれ20分~30分と長尺だったが面白くて結局全部見てしまった。

 

会場入口では船のデッキで撮られた写真に迎えられる。

 

会場内の様子。

 

中央には大阪中央郵便局の模型や写真資料。

 

周囲の壁は図面だらけ。

その一部、旧京都中央電話局上分局の図面。

 

タイルの一枚一枚が描き分けられている。

旧京都中央電話局上分局の建物は鴨川沿いに残っていて文化遺産オンラインに写真が出ているが、現在1階にはスーパーが営業中だそう。 

https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/180163

 

こちらは京都中央電話局の正面詳細図。

旧京都中央電話局の建物は2001年から商業施設「新風館」として稼働していたが2016年に閉鎖、翌年から再開発計画が始まっていたが、この春に20のショップやレストラン、ミニシアターやエースホテル京都が入る形でオープンする。リニューアルを手掛けているのは隈研吾建築都市設計事務所。行ってみたい!

https://shinpuhkan.jp/ 

 

東京中央郵便局の外壁にも、一枚一枚のタイルが。

 

東京中央郵便局の各階平面図。

もともと二ヶ所に吹き抜けがあったが、現在は角度のついた下辺2間のみが残る。

 

上階にはブルーノ・タウトとの交流資料もあった。

こちらは日向別邸の青写真。

吉田鉄郎はブルーノ・タウトが来日した際に桂離宮など各地を案内している。

タウトは吉田鉄郎が手掛けた東京中央郵便局を「モダニズムの傑作」と讃えた。 

 

大正末期から昭和初期の逓信省建物の全国一覧。

逓信省の英訳は「Ministry of Communications」

当時最先端の、そして最も沢山の敷地面積を保持する事業体であった。

 

入場無料である上に、一階のオフィスでは立派なカタログを無料でいただけます。

おすすめの展覧会だと思います。2月11日まで。

 http://nama.bunka.go.jp/exhibitions/1911

 

こちらは岩崎邸側の入口。別の日に再訪しました。

 

岩崎邸の玄関口。

 

対面のイチョウ。

 

庭側からみた岩崎邸。やはりゴージャス。