墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

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十和田湖底に眠っていた「一式双発高等練習機」 @青森県立三沢航空科学館

前回のつづき。

三沢航空科学館では特別企画展として、零戦21型原寸大模型と、湖底から引き揚げた一式双発高等練習機の展示が行われていた。

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一式双発高等練習機は陸軍が採用し、1342機生産された高性能機。開発・製造は立川飛行機。

その内の一機、昭和18年(1943)にエンジントラブルで十和田湖に沈んでいた実物が展示されている。

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2011年に発見されて翌年に引き揚げられた。

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墜落して、69年間沈んでいたにしては、非常にきれいに残っている。

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詳しいいきさつが書かれた説明板。乗員4名のうち1名は救助されていた。

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墜落した練習機
昭和18年9月27日、帯広第三十八戦隊所属の陸軍一式双発高等練習機が、搭乗者4名で八戸市を目指し秋田県能代飛行場を離陸。飛行中エンジントラブルを起こし十和田湖の中湖に墜落し沈没した。1名の乗員が休屋の漁師(金村松吉さん)に救助されたが他の3名は未だ不明である。
機体の概要
左の写真は十和田湖に眠る立川54・1式双発高等練習機と同型機。この機は昭和16年7月に陸軍に正式採用され、操縦練習だけでなく射撃、航法、通信、写真撮影など機上作業全般に使用された。高性能であったため、昭和20年6月まで1342機生産された。東條英機内閣総理大臣(兼陸軍大臣)の国内移動に使用されたと言われている。
発見の経緯
平成22年7月13日、静岡県下田市の海洋調査会社(株)ウインディーネットワークは、高性能の超音波計測器を使用し、東京大学生産技術研究所と十和田湖の湖底地形調査を開始した。
調査会社代表取締役社長の杉本憲一氏は調査のため宿泊していた休屋の春山荘主人の金村春治氏より、昭和18年に湖に墜落した旧日本帝国陸軍機の話を聞き昭和の歴史に翻弄された3名の英霊に感謝と哀悼の意を捧げる為飛行機の捜索を決めた。同年8月4日、超音波計測器で飛行機を発見。同年8月8日、水中ロボットカメラを湖底に入れ撮影に成功。青森県三沢航空科学館大柳館長が昭和18年に墜落した機であることを確認した。同調査会社は同年11月24日、遺骨調査の為ダイバーを機内に潜らせ調査したが遺骨は発見されなかった。
2012年9月5日、この機体は引き揚げられ、皆様の前に展示されています。

 

湖底で撮られた写真もあった。 沈んでいた場所は水深57m。

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尾翼側から。

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真後ろから。先端は非常にシャープ。

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右翼側へ回る。塗装も当時のもの。

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淡水で、年間を通し水温4~5℃だったため、機体の腐食が進まなかったとのこと(Wikipediaより)

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模型も置かれていた。 

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翼も直線で。

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機体の鋼板はもともと厚くは無かっただろうが、 紙風船のような感じの薄さに驚いた。

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正面から。

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エンジンは天風21型。 

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その解説。

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以前に日野オートプラザで、パネル展示のみを見た。

 

もう一機は、 零戦21型の原寸大模型。

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零戦(零式艦上戦闘機)は日中戦争から太平洋戦争にかけて、海軍により1万機以上が作られている。製造は三菱重工(開発も)と中島飛行機(ライセンス生産)

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スタジオジブリの「風立ちぬ」で映画化されたように、設計主務者は堀越二郎。

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展示は2020年3月末まで。

 

追記

本エントリで継続期間1826日となりました。

365×5+1(うるう年)ということで、ちょうど5年です。

連日は大変と感じるときがありますが、毎日見ていただいている方々がおられることが大きな励みになっています。

できる限りは続けていきたいと思いますので、今後もどうぞよろしくお願いします。