墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

旧平櫛田中邸アトリエ 東京都台東区上野桜木

今回は文化財ウィーク関連ではないが、11月上旬に訪ねた建物を。

彫刻家・平櫛田中(ひらくしでんちゅう:1872~1979)のアトリエは、2年近く前に谷中を散歩していた際に、閉じた門の外から外観をチラリと拝見して気になっていた。

 

かるびさんのエントリで、そこで展覧会が行われていることを知り、期間終了間際に行ってみました。

http://blog.imalive7799.com/entry/Xylology-201811 

 

日本の木彫現代作家15名によるグループ展(第1回目の立ち上げ展)で、タイトルは「XYLOLOGY(キシロロジー)ー木学 起源と原点」

https://www.facebook.com/xylology/

 

作品展としても建物見学としても味わい深く、おかげさまで充実した時間を過ごすことができました。

 

場所は谷中霊園の南端。

 

10時に着いたら閉門していて、スマホで確認して午後1時オープンと知った。

それではと南に歩いてムンク展へ行くと入場で30分待ちだったのでルーベンス展に変更、国際子ども図書館でカレーライスを食して戻ってきた。

 

建物の管理をされているNPO「たいとう歴史都市研究会」のサイトによれば、谷中界隈は江戸期から絵師や工芸職人の住む町だったが明治期に東京美術学校(現・藝大)が開校してからは画家や彫刻家が多く住むようになり、岡山県井原市出身の平櫛田中もその一人だったとのこと。

平櫛田中岡倉天心に師事しているが、 建物のアトリエ部分は大正8年(1919)に横山大観、下村観山、木村武山らの日本美術院の画家たちの支援により建てられ、大正11年(1922)には居宅を増築して家族とともに昭和45年(1970)まで暮らしている(その後に小平へ転居、その際に家屋を井原市へ寄贈)

http://taireki.com/hirakushi/index.html  →建物平面図の記載もある。

通常非公開だが、 井原市の協力の元に「平櫛田中先生の顕彰と建物維持、新たな芸術文化の育成・発信」を願って地域やNPO東京芸大等の有志により掃除・修繕と公開活動が折々おこなわれているとのこと。

 

門に迎え入れられるように中へ。

 

玄関に子供の靴が沢山あって賑やかなのは、ワークショップが行われていたから。

 

玄関屋根の上、二階の手摺に何かある。

 

屋外展示の木彫作品だった。「夜の大三角」ねがみくみこ作。

 

そこから右手方向。中庭を挟んだ台所棟の右に風呂小屋が付く(非公開)

 

中庭側から玄関あたり。

 

中庭から見上げた空。

 

玄関左手の勝手口(?)から。部屋の中の秋田犬も作品。

 

その左側。アトリエの南側に付随する和室。

 

その和室の北側、アトリエの壁はコンクリートブロックで補強(?)されていた。左は物置棟。

 

由緒ある古い家屋に上がって、お座敷やアトリエにて、接近して鑑賞できるところがとてもよかった。撮影も可。

入口にて作品の位置が記された全体マップを渡されて、それを見ると作家名・作品名がわかるシステムになっていた。

 

ねがみくみこの作品は1階の茶の間にも。「ネコのダンス」も思わず笑みがこぼれる人物(?)彫刻。

 

その広縁の板の間には、村田勇気による「祭礼」

一木から掘り出しているようだ。

 

広縁側からみた茶の間。奥の襖の先が、受付があった玄関。

 

茶の間の北側の、四畳の部屋。

 

2階への階段。

 

2階には十畳の座敷があった。卓上には小畑多丘による「KAYAMARO」

 

床の間には村田勇気による「Conversion 降三世明王

金属製のウイルスのような木彫。木彫によるが木製とは思えない見た目を作り出している作品がいくつかあった。

 

床柱の左、地袋の上の作品。

 

一瞬作品かと思った補修。

 

その反対側、2階の縁側には金巻芳俊による「マドイ・カプリス」

高さ50cmほどの作品だが、オーラが強烈だった。

 

座敷の続きの板の間いっぱいに、佐々木誠による「沙々禮石」 これも木彫。

 

階段を下りて、アトリエ南側の和室へ。

 

中里勇太「つながれたひ」は、とても凛々しく。

 

部屋の反対側の隅の箪笥。

 

最後にアトリエへ。

人口密度が結構高かったので俯瞰は撮れず。異形の人物は小鉢公史の作品群。

 

北側の窓は大きく、天井付近には斜めの天窓も。

この面を真北に向けたため、アトリエ棟は敷地に対して斜めになり、敷地の向きに合わせた居住棟の連接部が三角形になっていた。

 

アトリエ北半分は2階までのぶち抜き天井。よって大きな作品にも取り組める。

 

日中安定した自然光を得るための工夫が凝らされた「近代アトリエ建築の先駆け」だったそうだ。壁面全体の戸棚収納も目を惹いた。

 

紹介できた作品は半分ほどですが選んだわけではなく、じっくり撮られる方もおられて写すのをあきらめた作品もあったということでご容赦ください。

 

アトリエの南半分では子供たちが精力的に作品づくりに取り組んでいました。

 

平櫛家が生活していた頃の写真も展示されていた。

 

建物は通常非公開だが、毎月第4日曜日が「田中邸を味わう日」となっていて午後に一般公開が行われているようだ(一般300円) 次回は12/23。

https://www.facebook.com/events/1931952650360832/

 

展覧会などで公開情報はフェイスブックの方が詳しいようだった。 

https://www.facebook.com/%E6%97%A7%E5%B9%B3%E6%AB%9B%E7%94%B0%E4%B8%AD%E9%82%B8%E3%82%A2%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%A8-297419727109369/