11月中旬の土曜日、予報では曇りだったが当日は晴天となった。終了間際の展覧会を見に葉山を訪ねた。
逗子駅東口のバス乗り場③で逗12のバスに乗り、20分ほどの「三ヶ丘(近代美術館前)」で下車すると、目の前が美術館。
建物前広場で、イサム・ノグチの彫刻に迎えられる。
鎌倉にあったときは建物の中庭のような場所にあった。
葉山の方では、 広場の隅に岩戸山古墳の石人レプリカもあった。
広場の奥からは相模湾が。右はレストラン棟。
雪を冠した富士山が良く見えた。
今年で生誕120年となるアルヴァ・アアルト(1898~1976)は故国フィンランドでもっとも著名な建築家。
1920年代に建てられた教会をはじめとして、新聞社や劇場、市民センターや農業協同組合ビル、個人邸宅、サナトリウム、図書館、博覧会パビリオンなど、50年近くにわたってさまざまな建築を手がけている。
機能性を重視したモダニズムに、有機的な曲線などの自然の要素を取り入れていて、11月21日の日経朝刊文化面では「合理的で温かいデザイン」という見出しで紹介されていた。
建物だけなく家具デザイナー・製作者としても著名で、 三脚の丸椅子「スツール60」をはじめとして照明器具やガラス器も世に出している。
展示室は撮影不可だが、椅子に座る体験ができる「アアルト・ルーム」が用意されていた。
壁の写真、波打つ横板天井の建物は、ヴィープリの図書館の講堂。
「スツール 60」は1933年の発売。
アアルト・ルームには他にもさまざまな家具が。
テーブルの端から見つめられるように写真が。
こちらの照明は”蜂の巣”という名前(1953年)
チェアもすべてアアルトデザイン。
壁の棚なども。
波打つガラスの器が 「サヴォイ・ベース」1936年。
使い勝手がよさそうで、眼に優しいデザイン。
メインの展示室では、デッサンや設計図、建築模型や写真、動画などで約300点で構成されていたが、パイミオのサナトリウム(1933)は部屋の原寸レプリカの展示もあった。
機能性が重視される病室が、殺風景にならないように考えられていることがわかった。
アルミン・リンケという写真家(ドイツ人)が撮った、アアルト建築の大判写真も独特の雰囲気があって面白かった。
代表作(?)のヴィープリの図書館は、建てられたときはフィンランド領だったが、現在ではロシアの領地・ヴィーボルクとなっている。
ストリービューで外観を見られた。
こちらはフィンランド・セイヨナキの市民センター。
多分、一生行くことはないであろう場所にあった。
11月25日まで。一般1200円。
12月8日~2019年2月3日で名古屋市美術館、2019年2月16日~4月14日で東京ステーションギャラリー、2019年4月27日~6月23日で青森県立美術館へと巡回する。