墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

画像が出ない場合はPCで、クロームOSでお試しください。

三鷹市山本有三記念館 東京都三鷹市下連雀

東京文化財ウィーク2018特別公開の国際基督教大学(ICU)泰山荘の見学に当選し、10月21日の日曜日に三鷹へ出かけた。

三鷹駅のペデストリアンデッキから南側の眺め。

 

ICUへ向かう前に、駅から徒歩10分の山本有三記念館を初めて訪ねた。

 

玉川上水沿いを東に歩く。三鷹の森ジブリ美術館を目指していると思われる方々も同じ道を歩いていた。

 

玉川上水をのぞき込むと水流が見えた。

 

山本有三記念館の入口に到着。

 

2019年3月3日まで「三鷹と有三」展を開催中。

 

門を入るとすぐに洋館が聳えていた。

 

暖炉裏の石組みが見事。

 

横から。

 

妻側の屋根を貫く煙突。

 

建物は大正15年(昭和元年:1926年)頃の築。設計者は不明。 

三鷹市指定文化財 三鷹市山本有三記念館(山本有三氏旧宅)
種別:重宝
年代:大正15年(1926)頃
指定年月日:平成6年7月14日
所在地:三鷹市下連雀2丁目12番27号
著名な文学者で三鷹市名誉市民でもある山本有三氏(明治20年~昭和49年)が、昭和11年から21年まで居住された建物である。同氏はここで代表作「路傍の石」を執筆したが、進駐軍に接収され転居した。その後、昭和31年に土地とともに東京都に寄贈され、昭和60年には三鷹市に移管された。平成8年11月に、有三氏の業績を顕彰するとともに、貴重な文化財としての保存を目的として、三鷹市山本有三記念館が開館した。
この建物は、当時導入された海外の近代的様式の折衷的表現を試みており、特色のあるデザインを示す洋風建築である。特に外部の暖炉煙突の石積みは、日本にはめずらしい表現である。
平成10年(1998)3月31日 三鷹市教育委員会

 

角張ったアーチもある玄関。

 

中に入る前に庭のある南側へ回った。

 

庭は日本庭園風で鯉の泳ぐ池も。 

 

庭の奥から見た建物。木々が繁って建物は見えない。

 

木々がかぶらないところに出ると、全体が入りきらなかった。微妙な左右非対称。

 

中央部分。玄関側の角張ったアーチの意匠はこちらにもあった。

 

東側の1階の窓上は半円の三連アーチ。

 

テラスの階段はS字カーブ。

 

西側側面の出窓。

 

入館料は300円。ぐるっとパスが使える。

もともとの施主は清田龍之介(1880~1943)という実業家だったが、世界恐慌で手放し、質流れとなっていたところを、山本有三が1936年に購入している。

 

「建物の特徴」の解説パネル。フランク・ロイド・ライトの影響が、緑青銅板葺きの屋根や、スクラッチタイル、大谷石の多用に見てとれる、とある。

 

秋の午前中であったからか、建物内には光が溢れていた。

はいってすぐの食堂から右側の応接間。

 

放物線的カーブの梁のアーチ。上段の窓もあってとても開放的。

 

暖炉も暖かそうだった。

 

こちらは食堂の暖炉。

 

床の木材組子パターンが美しい「。

 

復元平面図も掲示されていた。

 

洋館といえば階段。

 

その背面側に「イングルヌック」と呼ばれる小空間がある。スコットランド語で「暖かく居心地がよい場所」という意味だそう。最初に見た外壁石組みの内側がこの暖炉になる。

そしてステンドグラス(復元) 

 

階段の天井。

 

2階の旧洋書斎。

 

長細いこの六角形の意匠が印象的だった。

 

2階の和室(入室不可)

 

2階の廊下。

 

廊下の端には「子供図書館」がある。かつての子供部屋は今でも子供たちが快適に過ごせそうな雰囲気があった。

庭も建物も、全体にとても居心地がよかったです。