墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

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「没後50年 藤田嗣治展」と「ミケランジェロと理想の身体」展 @上野、都美・西美

2つの大きな展覧会を、はしごしてしまいました。 

 

東京都美術館で開催中の藤田嗣治没後50年展。 

 

近美の猫の絵など常設展で見られる作品もあるが、国内外から100点以上が集結。

同じく近美が所蔵する「五人の裸婦」(1923年)と大原美術館所蔵の「舞踏会の前」(1925年)が並んだところは、迫力の相乗効果を感じた。

女性の肖像では”乳白色”の色だけでなく、シカゴ美術館所蔵の「エミリー・クレイン=シャドボーンの肖像」(1922年)の服の青が印象に残った(公式サイトの見どころに写真がある)

https://www.tobikan.jp/exhibition/2018_foujita.html

 

自画像も多かったが、公益財団法人平野政吉美術財団が所蔵する、一部屋ごと等身大(?)で描かれた生活感溢れる作品(1.3m×1.9m)は面白く、しばらく見入ってしまった。

 

興味深かったのは肖像画だけでなく、街の風景も”藤田嗣治風”だったこと。

ポンピドーセンター所蔵の「フレール海岸 ノートル=ダム大聖堂」(1950年)は建物の壁の乳白色が主役のよう。

 

東京都美術館で2018年10月8日まで開催、一般1600円だが、8月中は丸めがねをかけていくと100円引きになるそう。

その後10月19日~12月16日に京都国立近代美術館へ巡回。

 

 

せっかく上野に来たので、欲張って国立西洋美術館で開催中のミケランジェロ展へも。

ミケランジェロの作品は看板の2点、右の「若き洗礼者ヨハネ」(1495-96)と左の「ダヴィデ=アポロ」(1530頃)だけだが、ギリシア彫刻、それをコピーしたローマ時代の彫刻、それを引き継いだルネッサンスという時代背景がわかる展示構成になっていた。

 

「ダヴィデ=アポロ」像は、未完成に終わったのでモデルがどっちだかわからない作品。左手の先に背中の部分に彫ろうとしたものが投石器であったらダヴィデ、矢筒であったらアポロになるそうだ。ほぼ完成に近いであろう腕などは張りのある柔らかさが感じられ、粗く削りだされた手の部分などを見るとそれがきっとピエタのような美しい手に変わっていったであろうと想像されてゾクソクした。

 

最近流行の撮影可一点は、ヴィンチェンツォ・デ・ロッシが模刻した「ラオコーン」(1584頃)

現在バチカン美術館にあるオリジナルのギリシア彫刻は1506年にローマで出土しているが、ミケランジェロはその発掘に立会っていて、大きくねじられた身体のダイナミックな表現から強烈な影響を受けたそうだ。

 

久しぶりに常設展も回ったが最後の部屋に、ここにも素敵な藤田嗣治の作品があった。

1929年作の「座る女」

http://collection.nmwa.go.jp/P.1992-0003.html

 

「ミケランジェロと理想の身体」展は、2018年9月24日まで。一般1600円。