墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

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「世界の眼で見る古墳文化」展と佐倉城址公園の桜 @国立歴史民俗博物館・佐倉

3月末の土曜日、佐倉の歴博で開催されている「世界の眼で見る古墳文化」展を見に行きました。

https://www.rekihaku.ac.jp/exhibitions/project/index.html

 

チラシやポスターにある、眼鏡の武人がインパクト大。

 

文字をもつ国家や宗教が生み出される前段階において、王や神の偉大さを人びとの素朴な感覚に訴えて表現する仕掛けを「先史モニュメント」と言うそうです。

日本の「先史モニュメント」は、被葬者の社会的地位や相互関係が多様な規模や形で示された「古墳」になりますが、先史社会に偉大さを表現する仕掛けはエジプトのピラミッド以外にも世界各地にあって、本展では最初の展示室にて中南米(マヤ、モチェ)、北米(カホキア、マウンドヴィル)、ヨーロッパ(ケルト)、韓国(高句麗、百済、新羅、加耶)、中国(秦、漢)という5地域の遺跡が紹介されています。

 

先史モニュメントの形態には王の墓たる墳墓の他に、神の住まいである神殿、儀式の場である広場・サークル等と様々あって、そこに社会の特質が反映されるそうです。

 

日本の「古墳」は規模と築造数で世界の先史モニュメントの中でも群を抜いているとのことですが、大王から地方の一首長まで墓造りに膨大なコストが注がれた一方で、城や都市はほとんど発達しない社会であったとの見方は面白いと思いました。

 

もうひとつの展示室では抑制された照明の中で装飾古墳の複写画やレプリカが展示され、神秘的な雰囲気を味わえます。

出展数は史料も含めて100点ほどとそれほど大きくはないですが、他にも埴輪や鎧など出土品の実物や精巧なレプリカ、さらに興味深い動画映像を見ることができました。

海外の墳墓との比較情報を広い視野で得ることや、気軽には行けない九州の装飾古墳の雰囲気を味わえるのはレアな機会だと思います。

5月6日まで、一般830円。おすすめです。

 

海外の先史モニュメントでは、アイルランドのニューグレンジも紹介されていました。訪ねたのはもう4年前。

海外の他の先史モニュメントへも、いつか訪ねてみたいです(特に韓国) 

 

館内からは外の桜を、大きな屏風絵のように眺めることができました。

 

外に出て近くで見ると。

館内から見た方が迫力があったようにも・・・。額縁効果を感じました。

 

桜の後ろは空濠が復元されています。

 

「馬出し空濠」と言って、人馬の出入りを敵に知られないようにした土手なのだそう。 

 

その対岸から見た博物館建物。

 

博物館は佐倉城址内にあります。佐倉城は天文年間に千葉氏一族の鹿島幹胤(かしまもとたね)が築城を始めましたが中断され、慶長15年(1610)に佐倉に封じられた土井利勝が築城。その後に堀田氏が入城しますが、明治維新の廃城令で更地となった後に帝国陸軍部隊(佐倉連隊)の駐屯地に。昭和37年(1962)に市の史跡に指定されて公園として整備されました。

 

城址には本丸・二の丸・三の丸や曲輪、土塁、空堀などかつての形状がよく残っています。

 

桜の名所として知られ、約50品種、1,100本の桜が植わっているそうです。

 

高い天井を、何本もの柱で支えているよう。 

 

桜の天井から青空。

 

本丸跡の芝生広場には屋台のテントも出ていました。 

 

周囲を巡る土塁に桜が植わっています。 

 

ヤマザクラの木蔭。

 

中から見上げて。

 

土塁の上の散歩道。

 

そこから見下ろす芝生広場。

 

城址のある台地の西隣には鹿島川が流れています。 

周囲の平地を望めるこの場所には、かつては古墳が築かれていたのではと感じました。

 

台地下へ向かう散策路で。モミジの新緑もきれいでした。

 

帰り道、京成佐倉駅へ向かう途中で見かけた並木。 

今週のお題「お花見」