墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

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足利織物記念館(旧木村織物輸出工場) 栃木県足利市助戸仲町

前回のつづき。

今回の足利市文化財公開イベントについてはいただいたチラシや市のサイトを見て、沢山の公開場所の中から足利駅周辺の何ヶ所かの目星をつけていた。足利市駅に着いてからまずは東に1km程にある足利織物記念館を目指した。

時間の節約にと足利市駅からタクシーを利用したが運転手さんはこの場所を知らず、少し離れた場所で降りることになったがスマホのおかげでたどり着けた。

「助戸公民館」の向かいだった。

 

白と緑の2棟が並ぶ一画。

 

少し不規則に開けられた窓が特徴的。

 

説明板によれば、白い方が旧工場棟、緑の方が旧事務所棟だった。

旧木村輸出織物工場
工場棟:一棟 平屋建 土蔵造り 瓦葺 桁行25.4m 梁間11.3m
事務所棟:一棟 二階建 石造り スレート葺 桁行6.3m 梁間5.5m
木村織物工場は初代木村浅七氏により江戸時代後期に始まり、昭和10年代まで代々盛業を続け、特に明治時代後期から大正・昭和にかけては輸出織物の生産において隆盛を極めた。
工場棟は明治25年竣工の土蔵造り建造物で煉瓦積みの基礎・大規模な洋風の小屋組みに特徴があり、工場として使用された。
事務所棟は明治44年に建てられたという木骨石造りの建造物で、全体のバランスよく、細部に洗練された意匠をもつ本格的洋風建築で事務所として使用された。
両建造物とも足利地方における近代織物工場の遺構として貴重な存在である。今回助戸公民館の建設に際し、原位置から移動・修復を行ったものである。
昭和62年3月 財団法人足利市民文化財団 足利市教育委員会

 

普段でも公民館事務室に申し出れば観覧できる。 

 

旧工場棟の内部は屋根の木組みが壮観。明治25年竣工の土蔵造り建造物で、足利で最も古い近代工場のひとつに数えられる。

 

 

係りの方に窓の位置の理由を伺ったが不明であるようだった。が、片側窓にしているのは織物に直射日光があたらないようにするためだった。

 

上を向くと交差する梁にちょっとめまいが・・・

 

反対側は舞台があってグランドピアノが置かれていた。

利用料を払えば借りられるホールになっている。

http://www.city.ashikaga.tochigi.jp/page/sukedo-shisetu.html 

 

事務所棟は足利織物記念館となっている。こちらも明治時代竣工(明治44年)の建物で、当時としては本格的なルネサンス風の外観をもつ。

 

建物を斜め後ろから。

 

 重厚な入口。靴を脱いでスリッパに履き替える。

 

 1階のガラスケースには美しい生地見本などがあった。

 

足利の織物の起源は奈良時代に遡るが、商品生産として本格的な展開は江戸時代18世紀中頃に京都西陣の高機織法が伝えられてからだが、明治20年代には輸出組合も出来て急速に発展した。が、世界的な好不況の波をかぶり昭和初頭には全国一の銘仙産地ともなったが、国家総動員法で軍需産業への転換を余儀なくされたという。

 

帳簿やスクラップが納められた書棚。

 

 2階への階段は木製の手摺。

 

2階の展示室。

 

シカゴ万博(1893)で木村織物工場の絹織物製品が銅メダルを受賞したときの賞状。

 

1870年代刊行の大英百科辞典(第9版)の現物。
ここが応接間であった時代に置かれていたものだそう。

 

旧木村織物輸出工場の隣には今でも木村家の敷地となっている。

 

美しい煉瓦壁。

 

端の方に蔵も。

 

明治時代のロケができそうな場所。

 

ぐるりと回りこんでいくと紅葉も。

 

 その先は旧工場の裏手(ホールの舞台の裏側)に出た。