江之浦測候所は先月(2017/10/9)に開館した、杉本博司の手による”アート・サイト”
構想10年・築造10年という時間がかかったそうだが、作品としての写真展示のほかに、由緒ある古い石材や、地形を活かした建造物や庭、そして遠く見通せる眺めも鑑賞対象となっており、まさに悠久の時間を“測候”する「生きている遺跡」のように感じた。
公式サイトに作家自身による解説やインタビューが掲載されているが、「測候所」という命名は、古代から行われてきたであろう「天空のうちにある自身の場を確認する作業」になぞらえれらている。
http://www.odawara-af.com/ja/enoura/
場所は東海道線の真鶴の一つ手前の根府川駅から徒歩だと30分上ったところ。
チケット購入の際に、駅からのバス利用か施設の駐車場利用(どちらも無料)を選択する。自分は駐車場で予約し、後でバスに変更しようとしたが満杯で(その場合はタクシー利用)結局車で訪ねた。
駐車場(バスもそこまで)には予約時間の30分ほど前に着いたが、予約時間に少し早くそこで待ち、係りの方の合図で15分前に入口へ向かった。
坂を上って見えてくるのは、元は明月院にあった室町期の門。建て替え前の根津美術館の正門だったもの。
会場への入口はその左側になる。
門を入って左手の建物で受付をする。こちらで30頁ほどの解説小冊子を渡された。園内の作品には全く解説板はないので、この小冊子が頼りとなる。
こちらの建物の地下にロッカーなどがあるが、作品も展示されている。
受付棟の向かいの別のガラス壁の建物がギャラリー。
長大なガラス壁面に風景が映しこまれる。
内部の壁には「海景]シリーズ7点が架かる。
モノクロ・長時間露光で撮られた世界各地の水平線。
ガラスの外には石と苔の庭園。
ギャラリーの東端は外に出られるようになっていた。
振り返ったところ。
夏至の朝には水平線から昇った朝日が一直線に差し込んでいくように設計されている。
100mの長さがあり、「夏至光遥拝100メートルギャラリー」との名がつく。
ベランダの北東方向。遠くに大山が霞んでいた。
小田原の水平線。
建物や庭など「江之浦測候所」として開発された敷地は3千坪だが、取得されている土地は農地を含めて1万坪を越える。
美しい海岸線。来た人みんなが写真家になれそうな光景。
ギャラリーの南側面。作品が架かる大谷石の壁がそのまま躯体になっている。
斜面下から見上げたギャラリー。
つづく。