昨日(8/25)から来週水曜8/30まで開催中の、故・渡辺英明氏の回顧展へ行きました。
1964年生まれで日芸写真学科卒、朝日学生新聞社で25年間写真記者をつとめ、2014年からはフリーランスとなった写真家。愛称”ジャン”さん。
昨年夏にこの写真集を完成させた後、突然の病で急逝されました。
(会場での写真は主催者の許諾を得ています)
出典プリントは遺作となった「PEN-F を通して見たパリ」からのモノクロ22点。
もともとはオリンパスペンFの開発者の方々のために撮ったもので写真集として出版する予定はなかったものだそうです。
モノクロで撮影された街は昨年のパリ。街を歩き回って出会った風景になるのでしょうが、2枚づつの見開きのような展示は左側に時を経て来たもの、右側に現在を現すものが組み合せられています。実際にパリの街(の観光地でないところ)を訪ね歩くと出現するリアルなイメージになっているように思われました。
大きく引き伸ばされた派手なカラープリントは、パリとは対照的な東京の街。
プリント作品のほかに、「苛つく好きな街」「あの場所」「色つきの場所」「遠い場所」「New York 2015 Summer」などの24冊の写真集が並べられ、手に取って見ることができます。
ほぼすべての写真集の最後の頁に英明氏の文章が書かれていましたが、そのどれかに「街と一体化していく」という(ような)フレーズがありました。
自分もと言うとおこがましいですが、街の路地等の風景に誘われるようにカメラを向けていると、撮ることでその場と一体化していくように感じることがあるなあと共感しました。
街を撮ることが好きな人には特におすすめだと思います。
本展は、大学時代からの友人であるホンマタカシ氏、大森克己氏、塩坂芳樹氏がプロデュースしています。
各日11時~19時(8/30は15時まで)木曜休館・入場無料
https://fotopus.com/event_campaign/showroomgallery/detail/c/621
展示室の外の一画では、渡辺英明氏と同じ時に日本写真家協会に入会された方々が氏を偲ぶ有志展を開いていました。
会場はオリンパスショールーム内にあるので、当然名機が展示されています。
ペンFを手に持ってファインダーを覗いてシャッターに触れてしまい、煩悩が沸き起こりました。
(当エントリの写真はすべてiphoneです)