墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

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「日本の家 1945年以降の建築と暮らし」展 @東京国立近代美術館

竹橋の近美で開催中の、戦後日本の住宅建築展を見に行った。 

 

チラシによれば、企画元は東京だが2016年にローマのMAXXI(マキシ)国立21世紀美術館、2017年3月にロンドンのバービカン・センターを巡回し好評を博している。

人気の理由はそもそも日本の建築が世界的に高い評価を得ていることにあるが、欧州にある”建築家は公共的な建築に関わるべき”という認識と異なって日本では個人宅の設計が相当数あり、建て替えのサイクルが早いことと、施主との小さな範囲で物事が決定されるので社会や環境の変化が家のかたちにラディカルに反映されることにある、という。

公式サイトはこちら。

http://www.momat.go.jp/am/exhibition/the-japanese-house/#section1-1

 

50組を超える建築家による75の住宅建築が、模型や図面、写真や映像で展示されていて、非常に見ごたえがあった。

 

入ってすぐの、アントニン・レーモンドや丹下健三、黒川紀章、白井晟一、東孝光らの作品が展示されている部屋は撮影不可だったが、その後に続く大部屋の展示は撮影可。著名作品の建築模型が数多く展示されていた。

 

なんと原寸大模型(一部)も。清家清設計による「斎藤助教授の家」(1952)

長大な間口。

 

靴を脱いで上がれるようにもなっていた。

 

縁側、居間、食事室、客間の内部空間が、フラットな床や天井により、一続きの空間となっている。

 

実物の写真も展示。

 

伊東豊雄による「中野本町の家」(1976)の模型。

 

その家の中庭から見上げた空。建物は1997年に取り壊されている。

 

中山英之による「O邸」(2009)の模型。

京都左京区の神社境内に隣接する、妻側一面がガラス壁のお宅。汐留のパナソニックミュージアムで6月まで開催していた「日本、家の列島」展でも映像展示があった。

 

石山修武による「世田谷村」(1997)

映像展示が素敵だった。

 

菊竹清訓による「スカイハウス」(1958)の模型を下から。

 

手塚貴晴・手塚由比による「屋根の家」(2001)の模型。

 

藤本壮介による「T House」(2005)には室内にドアがない。

 

こちらも藤本壮介による「House N」(2008)

大きな開口部があちこちにある入れ子状の箱。

 

こちらも藤本壮介による「House NA」(2011)

 

なんと実際に、すべての壁が透明なガラス。

 

岡啓輔による「蟻鱒鳶ル(アリマストンビル)」(建築中)の展示もあった。

 

以上、ほんの一部を紹介させていただきました。 

どの家で暮らしたいかと想像しながら巡るのも楽しいと思います。 

10月29日まで。一般1200円(金・土の17時以降は1000円) 

 

事前にアプリをダウンロードしておくと無料の音声ガイドが聞けます(イヤホン使用のみ)

http://www.momat.go.jp/am/wp-content/uploads/sites/3/2017/07/FREE-AUDIO-GUIDE-APP.pdf

 

次の企画展は「没後40年 熊谷守一展」とのこと。