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墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

オルセーのナビ派展 @三菱1号館美術館 丸の内

2月4日から5月21日まで三菱1号館美術館にて「美の預言者たち~ささやきとざわめき オルセーのナビ派展」が開催されています。

http://mimt.jp/nabis/

 

青い日記帳のTakさんのブログで知った特別内覧会へ応募したら抽選に通ったので、9日の夜に参加しました。

青い日記帳×「オルセーのナビ派展」ブロガー・特別内覧会 | 弐代目・青い日記帳

 

一般の開館時間(通常18時まで)の終了後の貸切イベント。

撮影は美術館より特別の許可をいただいています。

 

18時半から高橋明也館長とTakさんによるギャラリートークを拝聴。壁の3枚はフェリックス・ヴァロットン。

 

ナビ派19世紀末にゴーガンから影響を受け、パリで活動したボナール、ヴュイヤール、ドニ、セリュジエ、ヴァロットンらを中心とする画家グループ。

公式サイトには、"平面性と装飾性を重視した画面構成"で、"日常と神秘をあわせ持つ"ナビ派の芸術は、"20世紀美術を予兆する静かな革新性を秘めている"と紹介されています。

 

ギャラリートークでも触れられていましたが、本格的なナビ派展は今回が日本初。

80点の作品はオルセー美術館所蔵のものがほとんどで、本展実現の背景にはオルセー美術館のコジュヴァル総裁が自らナビ派作品の収集に力を尽くしていることや、高橋館長とコジュヴァル総裁が若い頃からの知り合いであったことなども影響しているようでした。

 

少し移動して刺激的な1枚を背に。

 

会場に入ってすぐの部屋にゴーガンの3点。 このあとに続くナビ派の作品と比較すると、自分の目には”保守的”にも感じられました。

 一番左はゴーガンの「黄色いキリストのある自画像」(1890-91年)

先月まで開催されていたデトロイト美術館展でのゴッホの自画像の位置づけになるような”目玉作品”であると思いますが、いきなり何気なく架かっていました。

 

 

ポール・セリジュエによる「タリスマン(護符) 愛の森を流れるアヴェン川」(1888年)は画家がゴーガンの助言を得て描いた縦が30cmに満たない小品。

解説によると「印象主義ではなしえなかった再現的描写からの脱却」という点で、後のナビ派結成の引き金になったとのことで、セリジュエは亡くなるまで手元に持ち、その後はドニが生涯大切にしたそうです。

 

 

縦長の4連はボナールによる「庭の女性」(1890-91)

ピエール・ボナール(1867~1947)はナビ派で最も日本美術の影響を受けた著名な画家で見応えのある作品でしたが、ボナールだけは撮影した画像をSNS等に掲載してはいけない(会場風景は可)という条件がありました。

 

同じ部屋にあるエドゥワール・ヴュイヤールによる「エッセル家旧蔵の食卓」(1899)は、オルセー美術館のコジュヴァル総裁お気に入りの作品だそうです。

 

こちらもヴュイヤールによる「八角形の自画像」(1890年)

解説には「フォービズムの大胆さ(色彩表現)を15年も先取りしている」とありました。マティスらが活躍するのは20世紀になってから。

 

フェリックス・ヴァロットン(右端の「ボール」)やボナール作品による、”子供時代”をテーマにした部屋。

「ボール」は以前のオルセー展でも来日していて印象に残っていたので懐かしく感じました。

 

ヴュイヤールによる「公園」(1894)は、襖絵を見ているような展示空間。

解説には「地面に伸びるゆらめく影が、親しみ深い場面に不穏な気配を加えている」とありましたが、開けた視界でそのような印象は受けなかったです。

 

最後の部屋にあったモーリス・ドニによる「プシュケの物語」(1907-09)は、ロシアのイヴァン・モロゾフ邸の装飾壁画のための修作。

 

屏風仕立ての作品からは日本美術を愛好していたことが伝わってきました。

ドニの「鳩のいる屏風」(1896頃)は画家がアトリエで私的に使っていた屏風で、生前は一度も公開しなかったそうです。

 

下記の写真左のポール・セリジュエの妻、マルグリッド・セリジュエによる「谷間の風景 四曲屏風」(1910)

 

ナビ派には、印象派とは逆路線の「目に見えない裏側の世界」を描く象徴主義的側面があり、魔術や秘教もインスピレーションの源としたそうです。

下の写真中央のちょっと不気味な木彫はジョルジュ・ラコンブによる「イシス」(1895)

左端は眠りを主題とした、ヴュイヤール「ベッドにて」(1891)

なぜか非常に惹かれた作品でした。 

 

解説や画像は公式サイトに詳しいです。

本展の見どころ|オルセーのナビ派展:美の預言者たち ―ささやきとざわめき|三菱一号館美術館(東京・丸の内)

 

「○○派」というと途中で独立があったり分裂したりがありがちだと思いますが、この人たちは最後まで親密にグループを楽しんでいたように感じました。

 

今回の抽選に漏れても行きたいと思っていた展覧会でした。

一般1700円で、脳をリフレッシュできる価値は充分にあると思います。

金曜は20時まで開館。

 

ちなみに学生の方は3月前半無料になると公式サイトにありました。

東京駅周辺美術館学生無料ウィーク 2017.3.1-3.15

 

Takさま、三菱1号館美術館ならびに本展関係者のみなさま、貴重な機会をいただきまことにありがとうございました!