9月11日の日曜日、流山市立博物館~野田市郷土博物館と、車で少し遠出をした。
野田市で郷土博物館に着く直前に目を惹く建物があり、”美術館”とあったので思わず立ち寄った。
壁に平瓦が貼られている。駐車場完備だが停まっている車はわずかだった。
入口の案内には、なんと川瀬巴水展が開催中であるとのこと。
キッコーマンの茂木家の十二代茂木七左衞門が収集した美術品をもとに、2006年に開館した美術館、常設展示は近代日本画が中心で富士山をテーマとした部屋が見事だった。
入館は予約制だが、定員に余裕があるときは予約なしで入館できる。訪ねたときは他の入館者はいなかった。
入館料は大人700円、月火が休館で12/5~2/7も長期休館となる。
茂木本家美術館 - Wikipediaによれば、「主な所蔵品には葛飾北斎「富嶽三十六景」や歌川広重、喜多川歌麿などの浮世絵500点や、横山大観、小倉遊亀、中島千波などの日本画。梅原龍三郎、和田英作、絹谷幸二などの洋画、高村光雲、平櫛田中の彫刻など。その数は総計で3700点にも及ぶ。年数回の企画展のほか、60~70点ほどが常設展示されている」
愛知万博や上海万博で日本館を手がけた彦坂 裕(ひこさかゆたか)の設計による建物は、それ自体が作品のようでもあって、壁に穿たれた窓が絵のようになっていたり、塔の内部のような吹き抜けに月が見えたりと、随所に見どころがあった。
下は玄関の反対側、庭から見た建物。
入館者が自分だけであったからか、建物や一部の作品に関する充実した解説を係りの方から聞くことができた。
残念ながら内部の撮影は不可。
庭で白い花を咲かせていたこのサルスベリが一枚の絵のように見えた。
自分にとっての一番の見どころは川瀬巴水の作品が並べられた一部屋だった。「月と星」つまり夜の情景を描いた作品を主に5,60枚の所蔵コレクションがあった。
貸切状態で鑑賞できて至福の一時になった。
一人だったので、思わず口をつく「おおっ」も出しっぱなしになった。
2年前に大田区郷土博物館で絵葉書を買った(しかし見られなかった)1枚「大森海岸」もあった。実物を見ると女性が持つ傘に、光の反射が細かい点で描かれていることがわかった。
「馬込の月」や「初秋の浦安」なども素晴らしかった。
前期の10/16までが「月と星」、10/19~12/4が「雪と雨」の展示になる。後期にも再訪したい。
ちなみに秋はカフェの前に立つこちらの紅葉が見事だそう。
背後の黒塀には柿渋が塗られている。
円柱が列をなす部屋も展示室。右が川瀬巴水の作品があった企画展示室。
芝生の庭を石伝いに歩いていくと神社がある。ここも美術館の敷地も茂木家の一部だった。
手水屋の欄間には狐の嫁入り行列の木彫り。
同、妻側の木彫り。登録有形文化財だった。茂木本家住宅稲荷神社水屋 文化遺産オンライン
端正な社殿。こちらも登録有形文化財。茂木本家住宅稲荷神社 文化遺産オンライン
社殿横の煉瓦塀も見事だった。
煉瓦造りの大きな門柱もあった。
このあと、郷土博物館、もの知りしょうゆ館、上花輪歴史館なども訪ねた。