墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

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観音の里の祈りとくらし展Ⅱ びわ湖・長浜のホトケたち @東京藝大 大学美術館

連休中の日曜日、滋賀県長浜市の仏像を上野へ見に行った。

上野駅の公園口は、普段の休日どおり大勢の人々で賑っていた。

世界遺産登録が決定される直前の国立西洋美術館を横目に上野公園を横切るようにして東京藝大へ。

 

重要文化財の奏楽堂は修復工事中だった。平成30年度完了予定。

旧東京音楽学校奏楽堂|日本最古の洋式音楽ホール(重要文化財)

 

工事を請け負っているのは松井建設。

登戸の長念寺の修復も手がけられていた創業430年の建設会社。

長念寺・本堂復原工事現場特別公開 川崎市多摩区登戸 - 墳丘からの眺め

 

藝大の入口はその先にあり、キャンパス内に大きな看板があった。

大学美術館の2階が会場。大人1200円。

 

以下は公式サイト・観音の里の祈りとくらし展−びわ湖・長浜のホトケたち−より。

長浜市には、130を超える観音をはじめとするたくさんの仏像が伝わり、古くは奈良・平安時代に遡るものも多くあります。また、この地域は、戦国時代には「近江を制する者が、天下を制す」と言われ、幾多の戦乱や災害に見舞われましたが、そのたびに、地域住民の手によって観音像は難を逃れ、今日まで大切に守り継がれてきました。
これらの仏像は、大きな寺社に守られてきたのではありません。地域の暮らしに根付き、そこに住む人々の信仰や生活、地域の風土などと深く結び付きながら、今なお大切にひそやかに守り継がれています。
この展覧会では、このようなホトケたちの優れた造形とともに、こうした精神文化や生活文化を「祈りの文化」として紹介し、長い歴史の中で守り継がれてきた地域に息づく信仰のこころを全国に発信していきたいと考えています。
歴史・文化に彩られた北近江の長浜、この地に息づく「祈りの文化」と「観音の里」の魅力を通して、一人でも多くの方に、ホトケたちとそれを守る人びとの姿を感じ取って頂ければと考えています。

 

展示されている仏像は41躯で、そのうち15躯は初めて堂外に出ている。前回Ⅰ開催時(2014年)の18躯の倍以上になる。

会場内は撮影禁止だったが、こちらのインターネットミュージアムのサイトにて豊富な映像での紹介がある。下記はその一部。



堂外初公開のみならず、なかには33年に一度しか公開されない秘仏もある。半数以上が平安時代の仏像であって非常に貴重な機会となっている。

手に載りそうな小さなものから等身大を超える大きなものまでサイズは様々だが、どれも地元の方々の手で大事に守り継がれてきたことが感じられた。

ほとんどの解説書きに、お堂の写真が添えられていたのでそう思えたのかも知れないが。

 

仏像だけでなく、中世の惣村の自治の様子を記録する「菅浦文書」も出品されている。

 

菅浦は琵琶湖の北岸にあるかつての”陸の孤島” 白州正子がよく訪れたそう。

2年前に湖上から眺めて、いつか行きたいと思っている場所(非常に充実したクルーズでした)

 

こちらは藝大美術館前の林の中で、静かにオーラを放っていた岡倉天心像。