5月3日、北鎌倉の円覚寺へ、国宝の舎利殿の特別拝観に出かけた。
円覚寺塔頭正続院の”昭堂”で、源実朝が宋の能仁寺より請来した仏牙舎利(釈迦の歯牙)が納められている。
現地の説明板。
円覚寺の舎利殿には「佛牙舎利」と尊崇されるお釈迦様の歯牙をおまつりしております。その由来は将軍源実朝公が宋の時代、中国能仁寺から請来したものです。この舎利殿は鎌倉にあった太平寺(尼寺廃寺)の佛殿(鎌倉時代末~室町初期に再建)を移築したもので、中国、南宋時代の建築様式に学んだ禅宗様建築の代表的な遺構です。関東大震災に倒壊しましたが、昭和4年に復元しました。
内部正面に佛舎利をおまつりする宮殿が安置され、その前に鎌倉彫りの須弥壇があり、観音菩薩と地蔵菩薩がまつられています。隣は円覚寺派の厳格なる修行道場となっており、円覚寺開山 無学祖元禅師をおまつりした開山堂とともに円覚寺随一の幽邃(ゆうすい)の地となっています。
正月の三が日、五月の連休日と十一月の宝物風入などの特別期間以外は修行の為、拝観を制限させて頂いております。大本山円覚寺 三宝会
円覚寺はいつでも参拝できるが、舎利殿は上記にあるように公開時期が限られている。
一昨年の秋に来た時はそれを知らなかったので、遠くから屋根の一部しか拝めなかった。
国指定史跡 円覚寺の国宝・舎利殿(の遠望) 神奈川県鎌倉市山ノ内 - 墳丘からの眺め
3月に東村山の禅宗様建築、正福寺千体地蔵堂を見て、見たい気持ちが高まっていた。
国宝・正福寺千体地蔵堂 野口不動尊大善院 東京都東村山市野口 - 墳丘からの眺め
円覚寺は北鎌倉駅から徒歩1分。
入口で拝観料300円を納めて境内へ。まずは谷戸の奥にある舎利殿を目指した。
特別拝観料200円を納めて普段は入れないエリアへ。
唐門の向こうに反り返った屋根のラインがよく見える。
左手には崖を掘り抜いた祠も。
入口をくぐって舎利殿の正面へ。
建物内部には入れないが、間近でじっくり観賞することができた。
建物は、もとは鎌倉市西御門にあった尼寺太平寺(廃寺)の仏殿を永禄6年(1573)に移築したもので、15世紀(室町時代中期)の建築と推定されているそうだ(円覚寺 - Wikipediaより)
当初の建物は永禄6年(1563)に焼失している。
説明板にあったようにこの建物も関東大震災で倒壊したが昭和4年に復元された。
反りの強い、かつ尖ったような屋根の先端。正福寺千体地蔵堂とよく似ている。
杮葺きの屋根は繊細な曲面に仕上がっている。
正面の欄間は波を打つような模様。弓欄間、火焔欄間とも呼ばれるそう。
内部の鎌倉彫りの須弥壇と菩薩様。
禅宗様の特徴のひとつである花頭窓(火灯窓)
裾が垂直的(広がらない)のは古い様式。
屋根裏の垂木が隅で扇状に広がる「扇垂木」も禅宗様の特徴。
右側から。裳階の正面五間は中央から左右に向かって幅が狭くなっていて、建物をより大きく見せる効果を上げている。
やはり屋根の先端に目が行ってしまう。
背後を取り囲む緑も美しかった。
公開は明日5/5まで。次の機会は11月になる。
屋根組の構造などはこちらの方 のブログがわかりやすかった。