墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

生誕140年 吉田博展 @千葉市美術館

たまたま千葉に用があって立ち寄りました。

これまで吉田博(よしだひろし:1876年~1950年)という画家を知りませんでしたが、すっかり魅了されてしまいました。

 

ポスターに使われているのは木版画の「日本アルプス十二題 劔山の朝」

大正15年(1926)の作。

 

出展作は300点を超える大回顧展。

公式サイトには十数点の画像も掲載されています。

生誕140年 吉田博展|2016年度 展覧会スケジュール|千葉市美術館

 

以下は公式サイト、およびWikipediaから。

吉田博は明治9年に久留米藩士・上田家に次男として生まれ図画教師吉田家に養子に入り、京都で三宅克己に感銘を受けて水彩画を始め、明治27年に上京して小山正太郎の”不同舎”に入門、23歳で渡米してすぐに自作を売るのに成功し資金を得て、欧州経由で2年後に帰国。

”明治美術会”を引き継いで”太平洋画会”を結成し、明治画壇で黒田清輝の”白馬会”と並び立つ団体として発展させます。

大正後期からは作品の主軸を木版画とし、彫師・摺師と組んだ伝統的な技術に洋画の表現を融合させて国内外から高い評判を得たそうです。

特に海外では昔から人気が高かったそうで、1945年秋にはマッカーサー夫人が下落合のアトリエを訪問、今回の会場には故ダイアナ妃の執務室の壁に「瀬戸内海集 光る海」(下図の絵葉書の中央)が掛かっている写真も掲示されていました。

 

公式サイトには「比較的早くに評価の定まった白馬会系の絵描きたちに比し、長く埋もれてきた感のある博の画業は、今の私たちにどう映るでしょうか」とありますが、自分は百年以上前という時間の隔たりが全く感じられないことに感動しました。

アルプスなどの高山の眺望は自分は”既視感”すら覚えました。アルプスの場合は風景自体がそれほど変わっていないかも知れませんが、「見方が変わらない」ように思いました。

 

同じ風景を何枚も異なる時間帯で表現しているシリーズも興味深かったです。

油彩の中ではホイッスラーの影響があるという1枚に惹かれました。

川瀬巴水(1883~1957)の7歳年上になります(亡くなったのも7年早い)が、木版画から受ける印象に共通するものがあるように感じました。

 

思わず綺麗な印刷の絵葉書を買い込んでしまいました。

 

自分が一番惹かれたのは臨場感たっぷりのスケッチですが、絵葉書にはありませんでした。

 

5/22まで開催されています。6/4~7/24で郡山市立美術館に巡回します。

山が好きな方や川瀬巴水木版画好きな方には、ぜひお勧めします。