墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

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黄金伝説~古代地中海世界の秘宝 @国立西洋美術館・上野

本日(1/11)までの美術展。

黒海の西岸、ブルガリアの第3の都市ヴァルナ近郊から発掘された世界最古・最大級の黄金副葬品が目玉展示のひとつ。

ヴァルナ歴史博物館が所蔵する、紀元前5千年紀(今から6000年以上前、エジプトのピラミッド時代より前)の時代の貴重な金の装飾品を見ることができる。

出土状態の墓を復元した展示もあり、金の腕輪や杖、服に付けられたのアクセサリーや、石斧、銅製の槍の穂先などの道具や武器が、埋葬時にどのように並べられていたかがわかるようになっていた。

 

時代や素材は異なるが、日本の古墳での埋葬も同様な形をとっているように思えるので、非常に興味深かった。

昨夏に奈良の斑鳩文化財センターで見た藤ノ木古墳の石棺を思い起こした。

藤ノ木古墳特別見学 ふるさと納税制度による石室貸切体験レポート 奈良県生駒郡斑鳩町 - 墳丘からの眺め

 

以下は公式サイトより。

地中海の奥深くに、湖のような黒海が広がっています。黒海の入口は、船の難所として知られるボスポラス海峡です。ギリシャ神話によれば、英雄イアソンはこの難所をアルゴー船に乗って越えました。イアソンが目指したのは、黒海沿いの王国にある金の羊毛です。イアソンは王女メディアの助けを借りて、この金の羊毛を手中に収めました。

豊かな黄金を秘める黒海地方の物語。これがただの伝説ではないことが、約40年前に明らかになります。黒海沿岸の町ヴァルナで、大量の金の副葬品を納めた墓地が発見されたのです。それはエジプトの最古のピラミッドよりも遙か以前、今から6千年以上も前に作られた世界最古の金製品です。骨と化した埋葬者は、金の杖を携え、大ぶりの金の腕輪をいくつもはめています。骸骨の周りに散らばる円形の金は、死者がまとっていた服をきらびやかに飾っていました。本展では、最古の金が納められたこの墓を出土の状態のまま復元し、同時に、太古の金の記憶が生み出したアルゴー船伝説の絵画を展示します。

黒海の金製品から3千年以上の時を経て、比類のない金細工技術を誇ったエトルリア文明がイタリア半島に花開きます。エトルリア人の謎に満ちた至高の芸を、ヴァチカン美術館の名高い金の腕輪でとくとご覧ください。 本展では、地中海地域の古代文明がもたらした金の傑作の数々を、金を題材とする絵画とともに展示し、黄金に魅了された人類の歴史をひもといていきます。

展示は、アテネ国立考古学博物館からの古代ギリシアの金装飾品、ソフィア国立考古学研究所からのヴァルチトラン遺宝、ローマやフィレンツェなどの考古学博物館からのエトルリアと古代ローマの精巧な金細工を見ることができる。

黒海の黄金(金の羊毛)を求めてアルゴー船で旅に出たイアソンの物語を題材にしたギュスターブ・モローや、黄金の騎士をテーマにしたクリムトの絵画もあった。

 

紀元前7~6世紀ごろのエトルリアの金細工のあまりの細かさには驚いた。

上野のあとは、1月22日~3月6日で宮城県美術館、4月1日~5月29日で愛知県美術館へ巡回する。

 

建物自体も美しい西洋美術館。

 

世界遺産へと申請中。今年の7月に結果が出る。

ユネスコ、国立西洋美術館の調査開始 世界遺産目指す :日本経済新聞

 

外観は、柱や階段がアクセントになっている。

 

斜めのラインがある柱。

 

階段と列柱。

 

昨秋に見た展示で、謎だった部分がわかって愛着がわいた。