前回のつづき。
大殿の地下には今年4月にオープンしたばかりの増上寺宝物展示室がある。
徳川家康没後400年を迎える年に、1910年(明治43年)の日英博覧会(@ロンドン)で展示され、その後に英国王室へ贈呈された台徳院殿霊廟の10分の1模型が里帰り展示されている。
2015/10/7から2016/3/13までは、2016年に生誕200年を迎える狩野一信の、圧巻の五百羅漢図(前期・後期あり、各20幅ずつ)を見ることができる。
展示室前のホールまでは撮影可だった。
入場料は700円だが、徳川将軍家墓所(500円)との共通券1000円もある。
壁には篠田桃紅による「四季」(1974年)が描かれていた。
3月に虎ノ門の菊池寛実記念・智美術館でも対面した。
菊池寛実記念 智美術館 「菊池寛実賞 工芸の現在展」 @虎ノ門 - 墳丘からの眺め
入口前にあった増上寺からの「ごあいさつ」
開館第2弾企画として、英国女王陛下から長期貸与された「台徳院殿霊廟模型」と増上寺所蔵の五百羅漢図を同時に見ることができる。
模型も羅漢図も、どちらも見応えのある素晴らしい内容だった。模型の写真は公式サイトにある。
展示室中央の模型の周りを、五百羅漢図がぐるりと囲んでいた。
以下は上記の公式サイトより。
羅漢は釈迦の弟子として悟りを開き、人々を救済する存在として長く信仰されてきました。一信は様々な過去の作例を踏襲しながら、2幅に10人ずつ、計500人もの羅漢を描く空前絶後の100幅を構想。その信仰心と自らの画業の集大成として恐るべき技量を駆使し、一心に制作を続けましたが、完成まであとわずかというところで没してしまいました。残り4幅は妻・妙安、弟子・一純らが補作して完成させ、文久3年(1863)増上寺に奉納されました。
増上寺に長らく秘蔵されてきた五百羅漢図は、東日本大震災直後に江戸東京博物館で全100幅が初公開され、翌年2012年にはアメリカ・スミソニアン博物館でも公開されるなど、日米で大きな話題となりました。
4年前の江戸東京博物館での展覧会の詳細な解説も公式サイトに残っている。
過去にテレビ東京の「美の巨人たち」でも取り上げられた。
狩野一信は「幕末動乱の時代、不安におののく人々を、羅漢を描くことで勇気づけようとしていた」と語られている。
こちらは4年前に刊行された豪華本。
著者の一人である山下裕二氏(明治学院大学教授・美術史家)は狩野一信の”応援団”
(下記の方のブログより)
~:狩野一信「五百羅漢図」 巧緻な巨大仏画100幅 - livedoor Blog(ブログ)
その山下教授お奨めの「22幅」も12/27までの前期で展示中。
この展示目的で増上寺を訪ねたのではなかったのですが、1枚1枚に念が込められたような迫力の内容に感銘を受けました。