墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

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”はかる”から”みまもる”へ 「ガスメーター開発物語」展 @GAS MUSEUM がす資料館 東京都小平市

前回のつづき。

ガス灯館の1階で常設展示を見たあとに2階の企画展へ行った。

この時は、 ”はかる”から”みまもる”へ「ガスメーター開発物語」展を開催していた(9/27で終了)

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一見地味だが実は深くて面白い、タモリ倶楽部で取り上げられるような内容だった。

 

ガスを事業とするには、船での原料輸入やタンクでの貯蔵、配管や送り出し圧力の調整などの大規模インフラが必要となるが、気体であるガスの販売では「使った量をカウントできること」も重要であった。

イギリスでガス事業が始まった当初(1812年~)は灯火用が主だったので、使用時間やガス灯の数で料金が決まっていたが、燃料として多量のガスが利用されるようになると使用量を正確に量る必要が起こり、ガスメーターが開発された。

今年はイギリスでガスメーターが初めて製作された1815年からちょうど200年になる(ということで企画された展示だと思われる)

 

以下は展覧会チラシより。

 実用的なガスメーターが1815年にイギリスで製作されて200年。日本では1904年(明治37)に国産のガスメーターが開発されると各社が製造に乗り出し、全国のガス会社で国産のガスメーターが使われるようになりました。

その後、ガスをはかる精度の向上や、メーター本体を屋外設置ができるよう耐久性を高めたほか、地震やガス漏れなどの異常を感知すると自動的にガスを止めるマイコンメーターが開発されて、ガスを量る機能に併せて、安全に使用できるよう見守る機能も搭載したガスメーターが登場しました。

展示では機体であるガスを量るガスメーターが、精度の向上と耐久性を高め、さらに安全機能を搭載するまでになった、進化の歴史を実際の製品などとともに紹介します。

 

初めは水の入った大型回転ドラム式のメーター。回転数がカウントされる。

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明治時代のガスメーター。

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同時期の別の会社のもの。

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国産ものが登場する。アズビル金門(株)や(株)シナガワなどのルーツがここにあった。

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園池製作所による20LT B型ガスメーター(1936年製)

内部の機構をシースルーで魅せている展示用?だが、四隅の上に擬宝珠飾りがある。

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ガラスケースの向こうにあると、モダンアートのようでもあった。

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展示室にはなんと河鍋暁斎の絵があった。ガス燈のある舞台画。1879年(明治12)の肉筆画「河竹黙阿弥作『漂流奇譚西洋劇』パリス劇場表掛かりの場」

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こちらは階段の上にかかるガス燈シャンデリア。

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設置するのも使うのも手間がかかっただろうが、大きな洋館でないと似合わないか。

明かりは建築内部の意匠の重要な要素。文明開化の明かりはガスから始まっていた。

ガス灯が点る洋館があったら訪ねてみたい。

 

 電気で点灯するガス灯ミニチュア二灯タイプ(9000円)は思わず買いそうになった。

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 つづく。