前回のつづき。
宿に向かう時間になってきて最後に何を見るか迷ったが、2003年開催時に建てられて以前にも訪れた「森の学校キョロロ」を選んだ。今年の新作品もあったので。
赤錆びた横に長い建物は、手塚貴晴+手塚由比の建築ユニットが手掛けた全面コールテン鋼製。冬の雪に埋もれても2000トンの荷重に耐えられるそう。
「深い水Ⅴー森の中へ」 高梨祐理 2015年
作品の中に入ることが可能。
「夏とひつじと」 櫻井かえで 2015年
生々しい雰囲気の大きな椅子。
「足下の水(200㎥)」 遠藤利克 2003年
水は「封印」されている。見えないし聞こえないが、その分想像が膨らむ。
赤錆で囲まれた空間でもある。
建物の周囲を回った。
大きく引き伸ばされた昆虫の写真がところどころに展示されている。
橋本典久+scopeによる「超高解像度人間大昆虫写真・life-size」
裏山にあった過去の作品? そばに寄る道がみつからなかった。
池の中に続いていく道。こちらも過去の作品か。
「松之山プロジェクト」 川俣正 2003年
さすがに12年経過すると丸太の土台が腐食し、登れないようになっていた。
キョロロの建物に付随する塔は階段で登ることができた。
登り口から上を見上げたところ。青い弱い光があるだけで足下が暗い中を手すりを探りながら165段登るのは結構きつかった。
これも「大地、水、宇宙」という逢坂卓郎の作品。宇宙線を感知して光と連動させている(2003年)
階段の下側。
「キョロロのTin-Kin-Pinー音の泉」 庄野泰子 2003年
水琴窟のように音を奏でるらしいが、自分には聞こえなかった。
江本創による作品 2015年
想像上の森の生き物を創造している。「欧州人参」
マンドレイクを思い出した。
志賀夘助コレクション 松之山出身の昆虫の専門家。3800点を超える標本が松之山町(旧)に寄贈されている。
http://www.matsunoyama.com/kyororo/modules/Top/index.php?content_id=25
ミュージアムショップの壁には橋本典久+scopeの作品も展示されていた。
松之山の積雪を示す展示。右の棒の先端が切れてしまったが平成26年には427cm積もっている。
「クワカブルーム」もあった。
部屋の中はカブトとクワガタだらけ。自由に触れるようになっていた。
さまざまな展示を一度に見られる楽しい場所だった。
ワークショップも実施されているので、事前に調べて行かれるとよいかと思います。
以上で、大地の芸術祭・越後妻有アートトリエンナーレ2015に関するエントリは終了です。全体の382点の1割にも満たない一部分ですが、それでも見ごたえがありました。
ガイドブックには作品紹介と、日程に合わせたコースやツアーが掲載されており、付録として作品番号のついた全体マップが付いています。大地の芸術祭へ行く場合には必携だと思いました。
大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2015 公式ガイドブック
- 作者: 北川フラム,大地の芸術祭実行委員会
- 出版社/メーカー: 現代企画室
- 発売日: 2015/05/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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森のキョロロを見たあと、そこから近い1泊目の宿泊地・松之山温泉に向かいました。
つづく。