墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

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神奈川県立近代美術館 @鎌倉

前回のつづき。

 

鶴岡八幡宮の源平池をはさんで本館(左側)と新館(右側:現在非公開)

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 参道脇から。奥が本館。

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「鎌倉からはじまった All Begun in Kamakura 1951ー2015」の看板が参道側に立てられていた。

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参道から左手に、美術館に向かう道にも看板があった。

展示は3期に分かれており、7/4~10/4までは「PART2:1966ー1984 発信する美術館」の展示。

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2015/10/17~2016/1/31の期間にPART3:1951ー1965「鎌倉近代美術館」誕生、が開催されるが、その1月末で鎌倉館は「展覧会活動は終了する」そうだ。 

 

美術館の歴史は公式サイトの企画展の項に詳しい。

神奈川県立近代美術館は、1951年11月17日に日本で最初の公立近代美術館として鎌倉の鶴岡八幡宮境内に開館いたしました。敗戦まもない占領下の日本において、新たな文化の発信地として開館した近代美術館は、多くの人々の共感と支持を得てきました。1966年に新館を増築、1984年に鎌倉別館、2003年に葉山館を開設し、60年余にわたって美術館活動を続けてきましたが、2016年1月末をもって鎌倉館の展覧会活動に終止符を打つことになりました。2016年度以降は、葉山館と鎌倉別館の二館体制にて美術館活動を続けてまいります。
 鎌倉館の最後の年となる2015年度は、これまでの鎌倉での活動を振り返り、「鎌倉からはじまった。1951-2016」展と題して、所蔵作品を中心に三期に分けて紹介いたします。

 

当初は3月末に建物を取り壊す予定だったが、日本建築学会の要望等により耐震工事を施した上で存続することが決まっている。

日本建築学会、GOOD JOB!

だが、美術館としてつくられた建物で作品を鑑賞できるのはあと半年ほどか。

 

美術館の正面は参道の反対側を向いていて回り込んでいく。建物前のスペースが広くとられていて全景をつかみやすい。

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池のそばから。突き出した2階が、大型石の基礎に立つ細い鉄骨柱に支えられている。

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以下はいただいた「鎌倉からはじまった。1951-2016」のリーフレットより。

神奈川県立近代美術館 鎌倉―建築について

設計:坂倉準三

施工:馬淵建設(旧館)、前田建設工業(新館)

階数:地上2階

構造:鉄骨

延床面積:1,575㎡(旧館)、860.54㎡(新館)

1951年11月17日、鶴岡八幡宮の敷地内に日本で最初の公立の近代美術館として開館した。平家池にせり出すように建てられ、建物2階部分を「ピロティ」とよばれる列柱群が支える形式をとっている。

1950年に建築家・吉田五十八を審査委員長として美術館の指名コンペが行なわれ、坂倉準三案に決定した。機能性、敷地との関係性、予算を考慮した鉄骨造であったことなどが評価された。このコンペには坂倉を含め、前川國男、吉村順三、谷口吉郎、山下寿郎ら5名の建築家が指名されていた。

1966年、同じく坂倉準三の設計により旧館の東に新館が増築された。展示室はガラスのカーテンウォールによって池と一体となるような空間で、外から差し込む光が印象的である。耐震の問題で、2007年以降は公開されていない。

旧館、新館はともに、モダン・ムーブメントに関わる建築や環境形成の記録調査および保存のための国際組織DOCOMOMO Japanの選定建物であり、日本を代表するモダニズム建築である。

 

坂倉準三 - Wikipediaでは他の作品として、六本木の国際文化会館(前川國男・吉村順三と共同設計)や東急文化会館(現存せず)、芦屋市民センター、新宿の小田急百貨店や西口広場、国鉄渋谷駅西口ビル(現・東急百貨店東横店南館・解体中)、ホテルパシフィック東京(現・SHINAGAWA GOOS)などが上げられている。

 

チケット売り場横の壁。きれいな大谷石だった。

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第1会場となる鎌倉館では、収蔵作品から絵画・彫刻の60点を展示。この日はお客さんが数組。高橋由一の「江ノ島図」をはじめとする当美術館が収集してきた近現代の著名作家の作品群のみならず、展示空間も楽しむことができた。

作品としては牛島憲之の「タンク」に特に惹かれた。

7/23、8/21には「子ども建築ツアー」が、9/3には「建築トーク」も開催される(どちらも要申し込み)

 

2階のカフェは、池側の眺めのよさそうな位置にある。

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カフェの前の階段。3階(屋上?)に向かう部分には入れない。

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階段を降りた1階のテラス。夏の暑いときはこちらの方が気持ちよいだろう。

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1階中庭。中央はイサム・ノグチの作品を背中側から。

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本館を出たのが16時過ぎ。別館も16:30まで入館可とのことだったので行ってみた。

八幡宮境内の西沿いの緩い上り道を350mほど歩く。

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こちらは館所蔵の版画コレクションがあった。棟方志功の大作(花矢の柵・10年ぶりの公開)の他、90点の作品が並んでいた。浜口陽三や長谷川潔、駒井哲郎、草間弥生があったり、ブリューゲルやウィリアム・ブレイク、ルオーがあったりと多種多様な作品が並んでいた。

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鎌倉別館の竣工は1984年。設計は大高正人建築設計事務所(他に群馬県立歴史博物館など)

元県営駐車場の敷地で、建設前の発掘調査で鶴岡八幡宮二十五坊跡とみられる遺構が出土して建築面積が縮小されたそうだ。

建築 : 神奈川県立近代美術館<鎌倉別館>

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建物側から前庭。生け垣の下が道路。山が迫る。

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鶴岡八幡宮沿いの道を通って駅へ戻った。小川の水が豊かだった。

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鶴岡八幡宮境内の西側の鳥居。その先は流鏑馬の馬場。

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その先のカーブから小町通りへ。

若い人たちで賑わっていた。長屋のようなおしゃれな店舗。

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蔦におおわれた魅力的なレストラン。

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駅前で「鎌倉カスター」をおみやげに買った。

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夕刻の鎌倉駅。

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