墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

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高橋コレクション展 ミラー・ニューロン @東京オペラシティギャラリー・初台

金曜日の夕方、日本の現代アートの目利きである精神科医・高橋龍太郎氏が収集したコレクション展を訪ねた。

 

名和晃平作品をあしらった美しい大型ポスター。

 

6月28日まで開催。

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混雑はなく、1部屋に1組ぐらいの贅沢な環境で鑑賞することができた。

 

以下はチラシより。

「日本の現代アートシーンは、正面に西欧のアートミラーがあり、背後に千年の伝統ミラーを見据える合わせ鏡の只中にある。コレクター精神科医 高橋龍太郎」

「高橋コレクション」は、精神科医・高橋龍太郎氏の収集による現代アートのコレクションであり、1990年代以降の日本のアートシーンを俯瞰するうえで欠かせない存在として、高い評価を得てきました。1990年代に収集を本格化させた高橋氏は、奈良美智、村上隆、会田誠、ヤノベケンジといった、現在日本を代表する作家たちにごく早い時期から注目し、彼らの重要作品を次々と収集することで、一躍現代アートのコレクターとして名を馳せました。また、近年ではより幅広いコレクションを志向し、「もの派」をはじめキャリアの長い作家なども積極的に収集する姿勢を見せています。高橋氏の収集に注ぐ情熱は、つねに日本のアート、日本の文化に対する溢れる愛情と透徹した眼差しに裏打ちされています。本展は、高橋氏が日本のアートと文化を考えるためのキーワードとして提案する「ミラー・ニューロン」をタイトルに掲げ、歴史的な視野から作品を選んで、日本の現代アートの流れを読み解いていくものです。草間彌生、舟越桂、Chim↑Pom、名和晃平ら52作家、約140点の作品を通し、現代アートの息吹が生き生きと体感できることでしょう。

高橋コレクション展 ミラー・ニューロン|東京オペラシティアートギャラリー

 

上記解説にあるとおり、草間彌生、奈良美智、村上隆、会田誠、山口晃、ヤノベケンジ、森村泰昌、束芋、鴻池朋子、大岩オスカール、舟越圭といった、その作家だけで多くの人を呼べる著名現代アート作家の、代表作とも言える作品が次々に現れた。

 

インターネットミュージアムのサイト上では動画(youtube)で展示会場が見られる。5つに分けて展示が紹介されているがその内2つを以下にも。

最初の部屋の中心には草間彌生の「鏡の部屋ー愛は永遠に(No3)」。四角い箱を覗き込むと無限の広がりがあった。その後も展示室ごとに出会いと発見があり、ワクワクしながら歩いていった。

 

西尾康之「Crash セイラ・マス」も。この迫力は「その場」でしかわからないのでは。設営に1週間かかったそうだが、普段はどこにしまうのか?

 

池田学の「興亡史」 を初めて目にしたがめまいがするほど描きこまれた都市のような天守閣の絵にしばらく見入ってしまった。

 

唯一撮影OK(記念写真用)だった草間彌生の「ハーイ、コンニチワ!ヤヨイちゃん」と「ハーイ、コンニチワ!ポチ」 

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また、追加料金なしで同時開催の収蔵品コレクションを見ることができた。「寺田コレクション」の中の岡田伊登子の風景画に非常な懐かしさを感じた。

また富田直樹による、粗い筆触だが写真のようにリアルな油絵に不思議な感覚を味わった。

 

入場料1200円。11時~19時、金・土は~20時。

現代アートに興味がある方ならば必見の展覧会だと思います。6/13土曜の夕方ぐらいが狙い目ではないでしょうか。

 

初台駅を降りて美術館に向かう途中のサンクン広場に佇むジョナサン・ボロフスキーの「Singing Man」

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正面から見ると細い人。

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常に顎が動いている。

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歌う人の正面には和泉正敏による石積み。

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オペラシティの内部の美しい石積み。

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エレベーターホールには何気なく、アントニー・ゴームリーの立像2体が立っていた。

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コンサートホールの方へ行くと、蓮池を下から見上げてような作品があった。

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作品に惹かれてエスカレーターを上ると、「Open Space 2015」(主催:NTTインターコミュニケーション・センター)という面白い展示があった。

以下は主催者サイトより。

「オープン・スペース 2015」展は,メディア・アート作品をはじめ、現代のメディア環境における多様な表現をとりあげ、幅広い観客層に向けて紹介する展覧会です。メディア・アートにおける代表的な作品、先端技術を取り入れた作品、批評的な観点を持つ作品、さらに研究機関で進行中のプロジェクトなどを、作品の理解を助ける解説とともに展示し、作品を楽しむだけでなく、その背景にある現代の多様化したメディアやコミュニケーションの在り方、現代社会における問題、未来への展望や、さらに新しい感性や美意識について考えるきっかけとなることをめざしています。

ICC ONLINE | プレスリリース | 2015年

2015/5/23~2016/3/6と長期の展示(11時~18時)入館無料。

グレゴリー・バーサミアンによる「ジャグラー」(1997)や平川紀道による「内部観測者のための円環構造」(2008)などダイナミックな作品が見られる。