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墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

「写真と地図でめぐる軍都・東京」 竹内正浩著

「地形で読み解く鉄道路線の謎」 の著者、竹内正浩氏による本。

写真と地図でめぐる軍都・東京 (NHK出版新書 457)

写真と地図でめぐる軍都・東京 (NHK出版新書 457)

 

 以下の、表紙裏案内文のとおりの、大変面白い本でした。

戦前、戦中期を通じて、東京は日本最大の軍都だった。近衛師団司令部をはじめ官衙がひしめいていた宮城(皇居)周辺や、大戦下の総司令部として機能していた市ヶ谷、武器・弾薬の一大製造拠点だった十条。板橋など。そこに現在も残る軍事遺産を、当時最高精度を誇った米軍撮影の鮮明な空中写真や地図を手掛かりにたどっていく。歴史ファンから、まち歩き好きまで読んでほしい一冊。

 

文庫版の大きさではあるものの、米軍が昭和19年12月から空襲の計画・効果確認のために撮影した鮮明な写真が、見開きで24枚掲載されています。各写真には著者が調べた施設などの位置情報を●印で重ねられているので、わかりやすくかつ非常に貴重な歴史資料となっています。

 

自分は当書を読ませていただいて、江戸期~明治期~昭和期と大きく変貌してきた東京の理解が深まりました。

明治維新江戸城が宮城(きゅうじょう)になると同時に、江戸の大半の面積を占めていた大名屋敷跡が軍の施設へと変わっていき、その施設も軍事力の拡大で手狭になって十条や駒沢、立川や相模原、津田沼へと移転していった流れが、豊富な写真資料などで実感できました。

 

2ヶ月ほど前に、「大軍都・東京を歩く」 黒田 涼著 という本でも感じましたが、戦後70年を経て軍都の痕跡は消えかけており、訪ねたい場所がまた増えました。

まち歩きのガイドブックとして活用させていただきたいと思います。

 

またこの本で、1945年5月25日(今日ですね)の山手大空襲について、消失面積や投下弾薬量が3月10日の東京大空襲を上回った規模だったにも関わらず人的被害が減少した(死者10万以上→3千人以上)主因が、「消火活動より、いち早く逃げることが奨励された」ことによるものだとはじめて知りました。

本筋とは異なりますが、「災害リスク」への対し方も学べたように思いました。