前回のワタリウム美術館と通りを挟んだ斜め向かいに「塔の家」があった。
20㎡の狭小の角地に建てられた地上5階、地下1階の個人住宅。民家なので現地案内表示はありません。
1966(昭和41年)竣工で、建築家・東孝光(あずまたかみつ:1933~)の自宅で出世作。
東氏は「塔の家」を含む一連の「都市型住宅」を手がけたことで、1995年に日本建築学会賞作品賞を受賞している。
Wikipediaによれば、「狭小住宅としておそらく最も有名な作品」で、
玄関を除けば、トイレも浴室も含め扉が一切なく、間仕切りもない。吹き抜けで開放的な空間設計が狭さを感じさせず、都心に住む醍醐味を満足させ、東の師坂倉準三の師であったル・コルビュジエの主張する「新しい建築の5つの要点(ピロティ、屋上庭園、自由な平面、水平連続窓、自由な立面~近代建築の五原則)を踏まえている、と言える。
とある。
駐車スペースもちゃんとあるが、反対側の路が目と鼻の先だった。
下記の方のブログに内部の写真が掲載されていて興味深い。
東孝光 - Wikipediaによれば、「同じく打放しコンクリート・狭小住宅で10年後に建てられた安藤忠雄の「住吉の長屋」などに与えた影響は大きく、後にDOCOMOMO JAPAN選定 日本におけるモダン・ムーブメントの建築にも選ばれている」とのこと。
外苑西通りと反対側から見た「塔の家」
コンクリートの表面も風格が出ていて、存在感のある建物だった。