墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

「ボッティチェリとルネッサンス フィレンツェの富と美」展 @渋谷

5/1金曜日の18時過ぎ、渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで開催中の展覧会を見ました。

混雑はなく、本の絵や地図、為替手形などの細かい資料もじっくり見ることができました。

金・土は午後9時まで開館しています。

 

開催趣旨によれば、「サンドロ・ボッティチェリ(1445-1510)の美に代表されるフィレンツェルネッサンスフィレンツェの金融業の繁栄が生み出した文化遺産」であり、本展では「ヨーロッパ全土の貿易とビジネスを支配し、ルネッサンスの原動力となった金融業の繁栄と近代に通じるメセナの誕生を、フィレンツェの趨勢と運命をともにしたボッティチェリ作品17点(工房作などを含む)をはじめ、絵画、彫刻、工芸、資料など計80点によって浮き彫りにします」とありました。

ボッティチェリとルネサンス フィレンツェの富と美

 

また上記公式サイトによれば、見どころはボッティチェリ作品の数と質。

17点のボッティチェリ作品が揃うのは日本では初めてであり、横幅5mのフレスコ画「受胎告知」や門外不出とされていた「聖母子と洗礼者ヨハネ(注:5/6まで)」が見られる機会は貴重です。フィレンツェの商人が使っていた本や地図、道具、金貨なども展示されています。

 

ボッティチェリといえばウフィツィ美術館の「プリマヴェーラ」と「ヴィーナスの誕生」と反応してしまいますが、本展を概観して当時では聖母をよく描いた画家であったのだなあと改めて感じました。当時の注文のニーズがそうであったということでしょうが。

受胎告知の大きなフレスコ画には圧倒されました。

 

他の画家の作品では、サン・マルコ美術館からフラ・アンジェリコの「聖母マリアの結婚」「聖母マリアの埋葬」に惹かれるものがありました。

スケッジャという画家の「スザンナの物語」も、絵巻のようなストーリーがあり面白かったです。

 

今回展示では美術作品だけでなく、「商人の道具」も充実していました。「第2章 旅と交易 拡大する世界」では次の解説があります。

ヨーロッパ各地にフィレンツェ銀行の支店が解説され、旅行者や商人は現金の代わりに信用状を携行して長旅に出られるようになります。交易は活発化し、フィレンツェにはヨーロッパだけでなく遠く中東からの商品も行き交いました。ここでは、航海図や、旅の道具、商品を輸送する船旅の様子を伝える絵画などを紹介します。

 

美しく装飾された鍵3点に魅せられたと思ったら、おみやげコーナーではTシャツの図案になっていました。

1425年5月15日付(今から590年前!)のメディチ家発行の為替手形もありました。まさにトラベラーズ・チェックのサイズ。

キリスト教では利子付きの金貸しが禁じられていた時代に、為替手形で代替する手段を発明し、ヨーロッパ全土に金融業のネットワークを張り巡らせたメディチ家をリアルに感じることができました。

 

商人が携行したという短剣(1290-1330頃)も展示されています。

場所や時代は違いますが取手で見た銃を思い出しました。

 

美術展公式サイトは、「スタッフ便り」が下記2つの点で興味深いです。

 

1つ目は(読みやすい)参考図書が提示されていること。高階秀爾氏、若桑みどり氏の著書です。

フィレンツェ (講談社学術文庫)

フィレンツェ (講談社学術文庫)

 

 

2つ目は、今回の展示作品の所蔵館の紹介。現時点で下記3つの美術館自体に高い価値がある邸宅美術館や宮殿美術館。

ピアツェンツァ市立博物館(ピアツェンツァ~ミラノの南東)、ダヴァンツァーティ宮殿博物館(フィレンツェ)、ジャックマール=アンドレ美術館(パリ)

内部の写真を見ると現地で作品を見たくなります。

 

昨年末に手にとった下記の本を思い出しました。

 

この時期、企画展が多いですが、お勧めの展覧会だと思います。

開催は6月28日まで。当日一般1500円。