2月最終日の土曜日の午後、散歩がてらに洋館見学に出かけた。
まずはフランク・ロイド・ライト設計の現役建物へ。
池袋駅西口を出る。
出た正面にわかりやすい案内板。480mしか離れていない。
上記と別の地図。右が北。
明日館(みょうにちかん)はホテルメトロポリタンから目と鼻の先にある。
ホテル前の信号を渡って一方通行の細道を進むと、住宅街の中にいきなり大きな桜の木が並び、芝生の先にライト建築が現れる。
南側に開いたコの字型のプラン。寝殿造のような雰囲気もある?
土日は月1回の「休日見学日」を除き外観見学のみ。
平日は月曜以外は有料で内部見学もできる。明日館に行かれる際は事前にHPで案内を確認するのがよい。
この日は外観だけだが、敷地内の順路は歩くことができる。
中央ホール。屋根の妻の先まで縦長窓が並ぶ独特のデザイン。
道沿い(事務棟)壁にあった説明板。
重要文化財 自由学園 明日館
羽仁もと子、吉一夫妻創立の自由学園校舎として大正10年(1921)から昭和2年(1927年)にかけて建設されました。設計はアメリカの巨匠フランク・ロイド・ライト氏および遠藤新氏です。平成9年(1997)国の重要文化財に指定され、約3年の歳月を費やし保存修理が行われました。中央棟、東西教室棟および道路南側の講堂からなっており、ウィスコンシンの大平原を舞台としてライトが発想した草原住宅のたたずまいが特徴となっています。学校法人 自由学園
事務棟の妻のデザインは中央ホールと呼応していた。
HPの、より詳しい解説。
(前略)
明日館建設にあたり羽仁夫妻にライトを推薦したのは遠藤新。帝国ホテル設計のため来日していたライトの助手を勤めていた遠藤は、友人でもある羽仁夫妻をライトに引きあわせました。夫妻の目指す教育理念に共鳴したライトは、「簡素な外形のなかにすぐれた思いを充たしめたい」という夫妻の希いを基調とし、自由学園を設計しました。
空間を連続させて一体構造とする設計は、枠組壁式構法(2×4構法)の先駆けとの見方もあります。木造で漆喰塗の建物は、中央棟を中心に、左右に伸びた東教室棟、西教室棟を厳密なシンメトリーに配しており、ライトの第一期黄金時代の作風にみられる、高さを抑えた、地を這うような佇まいを特徴としています。プレイリースタイル(草原様式)と呼ばれるそれは、彼の出身地・ウィスコンシンの大草原から着想を得たもので、池袋の界隈に開放的な空間を演出しています。道路を隔てた南西には、272人収容できる遠藤新設計の講堂がならび、重要文化財・自由学園明日館は構成されています。(後略)
・婦人之友社 羽仁先生記念展示室
こちらの部屋だけ内部見学できた。
ドアの取っ手が普通より高い位置にあった。
ドア上部も、屋根や窓と調和したデザインだった。
建物側から見た道路の方向。桜の時期にまた来たい。
通路に沿って進むとパーゴラもあった。
この雰囲気は「加地邸」にも引き継がれているのでは。
中央ホールの基壇には大谷石がふんだんに使われている。
近くで見ると結構大きな縦窓。内側から見たかった。
翼廊の柱の基礎も大谷石。天井あかりの穴の形も何気ないが菱形が効いている。月一の夜間見学日にも来てみたい。夜桜とタイミングが合えば・・・
巨大ターミナルに近いのに、なんという静けさ。
道を隔てた講堂は修復工事にはいっている。こちらも重文。完成は2年後とのこと。
このパーゴラの感じも加地邸そっくり。竣工は明日館の一年後だったので、同時進行に近かったのかも知れない(調べていません)
妻側にはやはり縦長の窓がある。完成が待ち遠しい。
池袋駅からの道沿いにあった「バール」のような理容店。
つづく。