墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

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「高松次郎ミステリーズ」 東京国立近代美術館 @竹橋

2/1の日曜日の午後、ちょっと時間が空いたので妻と竹橋に出かけました。

高松次郎ミステリーズ展、2015年3月15日まで開催中。観覧料900円。

この日は常設展が無料の日でもありましたが、会場内の混雑はなく、じっくりと余裕を持って観覧することができました。

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展覧会情報高松次郎ミステリーズ

上記の美術館サイトから、以下に概要を転載。

高松次郎(1936-1998)とは何者か!? こんがらがったヒモ、光と影のたわむれ、おかしな遠近法の椅子やテーブル、たわんだ布、写真を撮った写真、そして単純さと複雑さをあわせもつ絵画…。1960年代から90年代まで、現代美術の世界をクールに駆け抜けた男のミステリーを、この冬MOMATが解明します。
 高松の作品は、時期によって見かけも素材もばらばらです。そして、そのことが「高松次郎」というアーティストを少しわかりにくくしてきました。しかし、ばらばらな作品をくわしく見ていくと、いくつかの形や考え方が繰り返し現われることに気づきます。背後に一貫したつながりがひそんでいるのです。
 この展覧会は、約50点のオブジェや彫刻、絵画、および約150点の関連するドローイングによって、近年、世界的な評価をますます高める高松の制作をご紹介するものです。アーティストの広大な思考世界を追体験しながら、作品に込められた謎を解くわくわく感を、どうぞ会場で味わってみてください。 

 

はいってすぐにある「影ラボ」コーナーが面白かったです。高松次郎の制作原理を体験できて、写真撮影もできます。

影の自画像。

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こちらは立つと四方に影ができる。

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こちらでは吊るされた椅子がゆっくり回転し、2つの影が重なり合いながら動く。

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上記の展示解説

Shadow Lab

椅子が回転し、壁にその影が映っています。椅子は3次元の立体、影は2次元の平面です。つまり椅子の影は、椅子という三次元立体をひとつ下の二次元平面に落とした姿といえます。

2次元平面に落とされた時、もとの椅子が立体としてどんな姿をしていたのかを知るための情報は、かなり失われます。しかし椅子を回転させれば、さまざまな方向から投影された影が現れ、立体としての椅子を復元・推測するために必要な情報を得ることができます。数学の世界では、4次元以上の世界を推測する際に、この「回転」に似た考え方を取ることがあります。

数学に由来する次元の上げ下げという考え方は、高松が特に好んだものでした。 

 

次の広い部屋で約200展の作品を一堂に見ることができます(俯瞰用のデッキまで作られていました)

 

考え抜かれた静かな抽象画・オブジェに囲まれて、心地よく贅沢なひとときを過ごせたように思います。

 

2月14日14時にギャラリートークが、2月20日18時には高松次郎バースデー記念ミステリーイベント・公演「台本」が開催されるそうです。

 

その後、2階展示室の「奈良原一高 王国」展へ。

北海道の修道院、和歌山の女性刑務所で、「極限状況を生きる人間」をテーマに撮影されたモノクロ写真の数々です。

展覧会情報奈良原一高 王国

 

こちらは上記会場入口の常設展示、英国の作家アントニー・ゴームリーの「反映/思索」。1体はホール内に、もう一体はガラス外側のテラスに置かれていました。

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このあと、工芸館にも足を伸ばしました。

 

なお、東京国立近代美術館では2015年4月7日から5月17日までで片岡球子展が開かれます。開催期間が比較的短いですが行ってみたいです。

展覧会情報生誕110年 片岡球子展