墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

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産業遺産の写真集「これだけは見ておきたい日本の産業遺産図鑑」「女子的産業遺産探検」

たまたま同じタイミングで2冊の写真集を手にした。どちらもまだ読んでいる(見ている)途中だが、写真も文章も興味深く、手元に置いて時間があれば眺めている。

これだけは見ておきたい 日本の産業遺産図鑑

これだけは見ておきたい 日本の産業遺産図鑑

 

二村氏は近代化遺産に関する著書も多い工学博士。

日本の近代化に貢献した遺構については、先頃、群馬県の富岡製糸場の世界遺産登録が決まり、「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」も、日本政府による世界遺産案件に決まっている。今後ますます注目される分野では。

富岡製糸場は2013/5に探訪した場所。

http://massneko.hatenablog.com/entry/2013/05/07/093703

 

煉瓦や石、そして鉄による大きな構造物の遺構の持つパワーも、その場所に行ってみて、初めて感じることができるもの。

著者によれば「産業遺産を見学する際には、建築技術や産業技術として理にかなった形態、建物や機械の配置の意味、増改築の様子に着目してもらいたい」し、「産業遺産は、産業における技術革新と構造物が常に関係性をもちながら展開するので、そこを見なければ、本当の面白さは見えてこない」そうだ。

つまり、遺構の位置や形や素材が何故そう成り立っているのか、に重要な意味があるということで、奥が深い。

 

女子的産業遺産探検

女子的産業遺産探検

 

 もう一冊は1984年生まれの写真家兼保育士の前畑温子氏による写真集。といっても写真と同じ頁数だけある文章にも、独特の臨場感と降臨感(?)があって引き込まれる。

6年前に「廃墟の写真集」を手に取ったところから、のめりこんで行った産業遺産探訪のようだが、夫婦で「ヘリテージツーリズム」を行うNPO法人を立ち上げたり、写真集出版するまでに至っていて、とてもパワフル。写真からは廃墟の美しさや、かつて賑わいがあった場所独特の寂寥感が伝わってくる。

http://j-heritage.jimdo.com/

 

古墳界だけでなく、産業遺産界も女子大活躍。