別の博物館でいただいた賑やかなチラシの「発掘のチカラ ~変わりゆく街・歴史、そして未来~」に誘われて、佐倉の「印旛郡市文化財センター」に夫婦で出かけた。
http://www.inba.or.jp/news/newsindex20131203.html
子供がサッカーの練習から帰ってくるまで待っていたのだが、「宿題」を理由に断られてしまった。
東関道に乗り佐倉ICで降りて2キロくらい、「工業団地」の交差点のそばにあった。
展示室はそれほど広くはないが「発掘の実際」が展示されていて面白かった。他に誰もいなかったので、係りの方にいろいろ説明していただき、興味深い話を聞けた。
面白いのは、作業室がガラス張りになっていること。平日であれば作業の様子を見ることができる。出土物の汚れを落としたりピースをつなげたり記録したりの作業の、大変さが解りそう。
昨年亡くなられた、考古学者森浩一氏のサインも展示されていた。
「歴史をつくる」というパネル。説明文を転載。
この印旛地域は、昭和の終わり頃から、千葉ニュータウンや成田空港の建設に代表されるように、急速な開発によって著しく発展し、街の様子も大きく変化してきました。このような開発に伴う文化財の保護を目的の一つとして設立された当センターでは、これまでの30年間で800件以上の遺跡について発掘調査を実施してきました。
発掘調査をすることによって、それまで知られることのなかった過去の人々の生活が明らかとなり、地域の歴史を塗り替えてきました。
ここからは「印旛の宝たち」「モノをつくる技術」「律令体制下の印旛」といくつかの小テーマを設けて、当センターの調査によって新たに発見された印旛地域の【遺産】についてみていきます。
発掘の道具。この他測量の機械や図面起こしの様子なども展示されていた。地道な作業の積み重ねが「歴史を塗り替える」ということ。
下総歴史民俗資料館(千葉県成田市)で出会った「ムササビ形埴輪」のレプリカもあった。
http://massneko.hatenablog.com/entry/2014/04/30/220027
同じく、下総歴史民俗資料館でもレプリカだった人頭形土製品(こちらもレプリカ)
6000年前(!)の縄文時代前期の墓から出土した「他に例がない」もの。実物は「房総のむら」の資料館にあるようなので再訪したい。
写真パネルも豊富に展示されていた。この六崎大崎台遺跡は環濠が明確で中心に方形周溝墓もあり住居跡で埋め尽くされていてインパクトがある。
縄文時代の貝塚(その数、千葉県日本一)、古墳時代の前方後円墳(その数、千葉県日本一)の間をつなぐ、弥生時代の大遺構。
場所を聞いたら、道路の反対側の工業団地(フジクラ)の下とのこと。実物は残らなかった貴重な写真。
先日探訪したばかりの長方墳「墨小盛田古墳」から出土した須恵器(長頸瓶)もあった。
http://massneko.hatenablog.com/entry/2014/05/26/003000
口縁部が特異なカーブを描く縄文土器も。シンプルだが印象的なデザイン。
この展示は、2014年6月27日まで。
このあと、佐倉に来たついでにDIC川村記念美術館に向かった。
印旛郡市文化財センターのすぐ近く(西松屋の向かい)で、手焼きせんべい山形屋という暖簾に惹かれて店にはいった。
せんべいの種類の多さに圧倒された。一袋300円くらいのものが多かったが沢山買ってしまった。「かりんとう饅頭」というものも美味しかった。お団子もあったが売り切れていた。