墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

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東京大学総合研究博物館小石川分館 簸川神社 銅御殿 @茗荷谷

「建築博物誌/アーキテクトニカ」という展覧会(常設展)を見に行った。

小石川植物園の西端に博物館の入口がある(小石川植物園そのものの入口は東端にあり、両者は700m離れているので要注意) 入館無料、月~水が休館。

http://www.bg.s.u-tokyo.ac.jp/koishikawa/ennai/

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旧東京医学校本館との案内板がある。

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博物館として2013/12/14にリニューアルオープンしたばかりだが、1876年(明治9年)に本郷キャンパス内に建てられた木造の擬洋風建築で、東京大学に現存する最古の学校教育用建物。1965年~69年に現在地へ移築され70年に重要文化財に指定された。

2001年から東京大学総合研究博物館の小石川分館として一般公開されている。

f:id:massneko:20140530134747j:plain以前来た時は「植物園の一番奥にひっそり佇む古建築」という趣きで、展示内容も今のKITTEのインターメディアテクの方で展示しているような標本類だったような。

 

入口のアプローチからも小石川植物園を借景とした庭園が見える。

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テラスに出ると素晴らしい景色。小石川植物園は台地の端に広がっているので、この場が山裾にあるようにも感じられる。

ベンチが2組あるので、空いていれば心行くまで眺めを堪能できる。

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展示内容の主体は、世界の有名建築の縮体模型。

 

下記はパンフレットの表紙になっていた浄土寺浄土堂(兵庫県小野市)

東大寺南大門と同じく、重源によって建立された鎌倉時代の大仏様という建築様式で、貫や梁の構造材をそのままダイナミックに見せるのが特徴。

(大仏様は上記2例のみで、この後の鎌倉時代後期の寺院建築の流れは「禅宗様」になっていくが、両様式は共通の特徴も多く、合わせて「鎌倉新様式」または「宋様式」と総称される。 Wikipediaより)

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屋根の隅の垂木が放射状に広がるところの処理が、とてもよくわかって気持ちがいい。早く実物を、阿弥陀三尊像とともに見てみたい。

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つい先日訪れた、せんだいメディアテーク(by伊東豊雄)

http://massneko.hatenablog.com/entry/2014/05/22/124743

気になっていた柱の部分は、この模型では「網のようさ素材」でつくられていた。ちょっと抽象的になってしまっていたが、「雰囲気」はつかめたか。

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この他にも、世界の、数多くの建築模型が展示されていて興味深かった。 

 

・簸川神社(ひかわじんじゃ) 

博物館を出て小道を隔てた向かいに、気になる神社があった。

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鳥居の後ろの階段に惹かれていく。

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石段の上から振り返った眺め。結構な高低差。

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本殿は昭和33年再建。関東大震災と昭和20年空襲で、2度焼失したそうだ。

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モダンな神楽殿(水谷殿)

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・簸川神社(氷川明神) 以下は案内板より抜粋。

御祭神 大己貴命(オオナムヂノミコト、大国主神)、素盞鳴命(スサノヲノミコト、主祭神)、稲田姫命(イナダヒメノモコト、妃神)

創建は第五代孝昭天皇御宇三年(473年)と伝えられる古社で、もとは小石川植物園の地、御殿坂周辺尾貝塚の上に鎮座し、八幡太郎義家が奥州平定の祈願に参籠した社とされている元禄12年(1699年)に現在の高台に移転し、巣鴨の鎮守と定められ、江戸名所のひとつに数えられていた。

もとは社号に氷川を用いていたが、大正時代の神主が神社の由緒を出雲の国、簸川にあるとし、氏子中に諮り簸川と改めたそうだ。    

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文京区のサイトには、もとは「貝塚」ではなく「古墳」の上にあったとある。

多分両方正しいのだろう。

http://www.city.bunkyo.lg.jp/visitor_kanko_jisha_hikawa.html

 

茗荷谷駅への道すがら(湯立坂沿い)にも、気になる建物があった。

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 ・旧磯野家住宅 重要文化財 以下は説明版から転載。

実業家の磯野敬(1868~1925)が建設した住宅で、銅板葺の屋根や銅版が張り廻された外観から通称「銅御殿」として知られる。主屋および表門の2棟が国の重要文化財に指定されている。

主屋は明治末期に着工、大正元年(1912)に竣工された。車寄を備えた書院棟、3階建ての応接棟、旧台所棟などからなる。表門は大正2年竣工で、尾州檜の太い丸太材を用いた四脚門である。主屋、表門ともに材料にはよく吟味された木材がふんだんに使われており。建具や欄間などの意匠や造作から熟練した木造建築技術の一端が窺われる。

伝統的な木造建築の技術と明治以降の大工技術の創意とが融合した近代和風建築の作品であり、東京に残る明治末期から大正初頭にかけての数少ない邸宅建築のひとつとして貴重な文化財である。

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さきほどの簸川神社はすぐ近くにあるが2度焼失、こちらの建物はどちらも生き延びた運のいい遺産。

春と秋に一般公開(申し込み多数は抽選)があるそうだ。検索すると、いくつか訪問記がヒットするが、とても興味深い。下記は「湯立坂散歩」さん、「もののふ紀行」さんのサイト。

http://blog.yutate.com/

http://mononofu77.blog48.fc2.com/blog-entry-626.html

 

春公開は終わったばかり。秋にトライしたい。

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※追記 秋の公開に当選して見学することができました。

旧磯野家住宅・銅御殿(あかがねごてん) 重要文化財 @文京区小石川 - 墳丘からの眺め