前回のつづき(注:アートミックスの開催期間は5/11で終了しています)
観音堂と阿弥陀堂に御参りした後、月出工舎(旧月出小学校)へ。無料駐車場から徒歩5分ほど。駐車場の係りの方の対応が親切、丁寧でした。
月出地区は市原市の南東最奥部。山の斜面を削ってつくったであろう小学校が忽然と現れた。
校庭のテントから、おいしそうな匂いが漂っている。
ピザとやきいも用の石釜。タイルも敷かれ恒久施設として作品になっている。
・「火処(ほど)」 チョウハシトオル
ピザは売り切れだったが、やきいもが秀逸だった。薪がよいのか素材がよいのかわからないが、アツアツでやわらかくて、とても甘かった。校舎の作品を見たあとに、また買おうとしたら売切れていた。
校舎自体が生まれ変わっている。
・「月出工舎」 塩月洋生
1階にはカフェも。料理を食べながら月出の物語を聞くパフォーマンスもあったようだ。
・「この本、開いてもいいですか?」 竹村京
旧校舎に残された本や写真などの素材が、大きな見開きの布の本の形に生まれ変わっている。
・「Die Vorstellung のためのインスタレーション」 田中奈緒子
真っ暗な教室の中で光源が動き、そのたびに壁に映る影も移り変わって行く。
学校の備品を集めた部屋には数々の記念写真が飾られ、「想い」が圧縮されていた。
下図は、何気なく壁に貼られていた市原市の過疎化マップ。赤の地区が5年で5%以上減少。右上の、ちはら台だけ30%以上も伸びたが、月出のある加茂地区は▲13%と最も減少した。その影響が、右の写真に現れている。
なんと、去年(2013年)4月に4つの小学校が1つに統合されていた。今回のアートミックスの会場の、旧里見小学校も旧白鳥小学校も去年までは子供たちが通っていた。
ところで、市原市の形はよく見ると三浦半島の形に似ていると思った。
調べてみたら三浦半島の面積は256㎢なので、市原市368㎢の7割の面積しかないことになり、すっぽり納まってしまう。
小湊鉄道の五井ー養老渓谷は34.9km、JR横須賀線の横浜ー久里浜の34.6kmより長い!
校舎3階ベランダからの眺め。校庭を確保するために斜面を掘り下げたことがわかる。
・「光がつくる世界」 岡博美
壁面を白く塗った水のないプールが、一部テントのようになっている。
涼しげな布が風に揺れる。実際に涼しくて気持ちよかった。
上から見たところ。
・「蔵風得水/月出再生計画」 岩間賢
グランドの裏山に、壮大な作品があった。
倒れた木を素材にしたのだろうが、大迫力。
その奥は散歩できるように下草を刈ってあった。まるで古墳探訪のよう。
その林から見た校舎。ここもこどもの遊び場だったろう。
裏山から民家に抜ける道があり、そのまま進むと廃屋があった。庭先のアジサイに似た白い花が咲き乱れていた。
校舎全景。右半分は体育館。
校庭の一部に田んぼがつくられていた。これから田植えをするのだろう。
学校を出たところに小学生作の案内板があった。プロっぽいロゴも。月崎方面へ4つのトンネルを抜けて出た。途中T字路まで民家があった印象がないが、通学路だったのだろうか。
養老渓谷にある「あそうばらの谷」も見たかったが、すでに16時をまわっていたので湖上の飛行機を見に北上した。
つづく。