墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

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「みんなの空想地図」 今和泉隆行著

 たまたま手にした本。開いたら、別の世界が広がっていた。

みんなの空想地図

みんなの空想地図

 

著者は昨年タモリ倶楽部にも出た方。放映は自分も見ていたが「空想地図」の完成度だけに目が行き、ここまでやる人もいるんだと感心しただけだった。

が、改めてこの本を読んで、地図(中村市:なごむるし)は、頭で描かれたものではなく、身体経験に基づいたものであることに感銘を受けた。

地図をリアルにするためには「そこに住んでいるような地元感」を持つ必要があり、そのために著者は実在の都市を数多くフィールドワークしている。そのやり方が面白い(以下引用)

「一回行ったかぎりでその土地を『地元』にするためには、市街だけでなく、郊外まで含めた都市圏全体を面的に把握して土地勘をつけることが重要です」

「連なる風景の全体感から、見える景色が都市圏内で、どういう位置づけなのかを相対的につかみます」

それを把握するには、「都市圏内の移動距離は最低半径5~10km になるので」、「地元の多様な人が乗る公共空間でもある」路線バスがよいとのこと。

本には、この空想都市をバスで巡るシミュレーションも、30頁にわたって展開されていた。

 

自分の子供が幼かった頃、よく下記の絵本を読みきかせたことを思い出した(ルートは中心地から郊外へなので逆だが)

ピン・ポン・バス

ピン・ポン・バス

 
うみへいくピン・ポン・バス

うみへいくピン・ポン・バス

 

 

去年から古墳を巡るようになって、電車やバスを使うことも多く、初めて降りる町(しかし観光地ではない場所)で、ここが「地元」だったらどんな感じだろうか、と思ったこともあったので、本の内容がシンクロするところがあった。

 

地図はウェブサイトで公開されており、複数の人が参加して、仮想の住民票や紙幣、時刻表などが付加されて「自ら増殖している」。

 

空想都市へ行こう 

http://imgcity.chirijin.com/

 

「同業者います」のリンクが張られていて、さらに別の深淵が口を開けている。

 

「中村市」には、川が流れ、神社のある舌状台地、その後背地の眺めのよさそうな丘があったりして、まさに古墳がありそうな予感がある。

ぜひ調査をしていただいて、前方後円墳を復元して市指定の遺跡とし、中村市教育委員会の案内板を立てていただきたくとともに、中村市観光ガイドにも載せてほしいと思います・・・